先輩からの入試直前アドバイス
入試が近づくと気になるのが、昨年、先輩たちが実際にどんな気持ちで、具体的に何の準備をしていたのか。先輩たちの行動を知ることで、受験前にやっておくべきことを確認しよう。
- 共通テスト、なぜ自己採点が重要なのか?
- センター試験の過去問を活用した試験対策
- 共通テスト得点アップのプチテク集
- あと5点アップの得点テクニック
- 11月からの学習計画法
- 出願時に確認すべき3つのポイント
- 共通テスト直前対策ポイント
- 共通テスト前の追い込み勉強法
- 直前期&当日の勉強って何したらいいの?
- 共通テスト当日の「どうする!?」を解決!
- 共通テスト後の「どうする?」を解消
- 高2で過去問を解くべき理由
- 解答スピードが上がる3つの方法
- <国・数・英>共通テスト問題分析&高2生へのアドバイス
- <理科>共通テスト問題分析&高2生へのアドバイス
- <地理歴史・公民>共通テスト問題分析&高2生へのアドバイス
来年に向けて! <地理歴史・公民>共通テスト問題分析&高2生へのアドバイス
今年から始まった大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。新聞などで問題が公開されたので、すでに問題に挑戦してみた人もいるだろう。共通テストの受験を来年に控えた高2生に向けて、共通テスト第1日程の問題分析と、これからの学習アドバイスを公開。本ページは地理歴史・公民について解説している。早速今日からの学習に生かそう。
世界史B
出題の特徴
昨年のセンター試験と比べると、リード文と設問との関連性は大幅に高まり、また、多様な資料の読解が求められた。多面的・多角的に考察する必要が高く、思考力を要する問題が大幅に増加したものの、問われている知識は基本的なものだったため、難易は昨年センター試験並。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 15点 | 資料と世界史上の出来事との関係 |
第2問 | 18点 | 世界史上の貨幣 |
第3問 | 24点 | 文学者やジャーナリストの作品 |
第4問 | 26点 | 国家や官僚が残した様々な文書 |
第5問 | 17点 | 旅と歴史 |
高2生への学習アドバイス
★多様な資料を読み取る練習に加え、複数の資料の関連性や共通点・相違点に着目し、背景にある歴史的事象の理解を深めよう。
★資料と知識を組み合わせて考察する問題が出題されるので、基本的な知識の習得にも力を入れて学習しよう。
日本史B
出題の特徴
昨年のセンター試験から大問数6は変わらないが、解答数は4個減少して32個に。グラフや新聞、地図、写真などの多様な史資料が用いられ、史資料の読解力や多面的・多角的に考察する力を重視。社会経済史の出題は増加し、現代史の割合も増加。基礎・基本の知識が必要な設問もあるが、昨年センター試験よりもやや難化。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 18点 | 貨幣の歴史 |
第2問 | 16点 | 日本における文字使用の歴史 |
第3問 | 16点 | 中世の都市と地方との関係 |
第4問 | 16点 | 近世社会の儀礼や儀式 |
第5問 | 12点 | 景山英子(福田英子)と近代の社会 |
第6問 | 22点 | 農地改革 |
高2生への学習アドバイス
★教科書や資料集などを活用して、さまざまな史資料に慣れておきたい。史資料から読み取れることを自分でまとめ、教科書本文の内容との関連を確認しよう。
★歴史を考察する多面的・多角的な視点が求められる。同じ出来事でも、立場や視点を変えるとどのような評価ができるのか、学習内容と関連づけて考えよう。
地理B
出題の特徴
資料読解重視の傾向は継続。仮想の地域の地図や地理院地図を含む多様な資料が用いられ、図表読解力と地理的思考力が問われた。第1問は探究活動や授業の場面設定で大問が展開。問われた知識は標準的であったが、限られた時間のなかで正確に資料を読み解く力が求められる。昨年センター試験より難化。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 20点 | 世界の自然環境 |
第2問 | 20点 | 産業 |
第3問 | 20点 | 都市と人口 |
第4問 | 20点 | アメリカ合衆国の地誌 |
第5問 | 20点 | 京都府宮津市の地域調査 |
高2生への学習アドバイス
★複数の資料から情報を読み取ってそれぞれを関連づけたり、資料の数値の変化や差異がみられる点に着目して既習の知識をもとに背景を考察したりする演習を重ねよう。
★仮説の検証など、根拠をもって論理的に考察する力が求められる。日頃から疑問に思ったことについて情報を分析して仮説を立て、さまざまな知識を駆使して検証してみよう。
倫理
出題の特徴
出題分野は第1問で源流思想、第4問で青年期と現代の諸課題が扱われた。形式は従来のリード文に加え、生徒の会話やレポートなどが増えた。思想家の考え方の理解をもとに、現代の倫理的諸課題について考察する問題が多く、資料も多用された。取り組みやすい問題も多く、昨年センター試験より易化。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 24点 | 「恥」の観点から捉える源流思想 |
第2問 | 24点 | 日本における時間の捉え方と人生観・世界観 |
第3問 | 24点 | 良心をめぐる西洋近現代思想の流れ |
第4問 | 28点 | 歴史の多様性とその捉え方 |
高2生への学習アドバイス
★思想家・思想内容についての理解を深めよう。重要な語句や用語は、単に覚えるだけでなく、その意味や内容まで正確に理解することが必要である。また、同時代の思想家との共通点や相違点、ほかの思想家や思想への影響や批判なども含めて理解を深めておこう。
★文章の読解力・理解力を身につけよう。原典資料や思想についての説明文を読解する力や文章の趣旨を論理的に思考する力を養うために、日頃から原典資料などに親しんでおこう。
政治・経済
出題の特徴
「倫理、政治・経済」との共通の設問が4大問中3大問で出題。基礎的事項の深い理解が求められたことに加え、具体的な事象にあてはめる問題や資料を読み取る問題がみられ、幅広い知識と思考力を生かして資料を読み解く力が問われた。問題数が多く、昨年センター試験よりやや難化。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 24点 | 望ましい社会の姿 |
第2問 | 26点 | 法と人権、政治体制 |
第3問 | 26点 | 日本の労働、財政・金融や国際経済の現状 |
第4問 | 24点 | 日本による発展途上国への開発協力のあり方 |
高2生への学習アドバイス
★基本的な用語と、原理・原則を確実に押さえることが大切。単に語句を覚えるだけではなく、語句の意味や内容を、事例にあてはめながら理解しよう。
★問われている内容を正確に理解する力や、複数の資料から必要な情報を抽出する力を身につけよう。そのためには、新聞やニュース、資料集などを活用し、論点を整理したり、根拠となる統計資料を確認するなど、日頃から文章や統計資料に慣れ親しんでおこう。
現代社会
出題の特徴
身近なテーマから現代の社会の課題について出題され、全体として多様な出題形式によって思考力が問われた。模式図などさまざまな資料が使われ、全体の文章量はこれまでのセンター試験と比べて増加。多様な文章資料を読み取り考察する力が求められ、昨年センター試験より難化。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 26点 | 「現代社会」の学習について |
第2問 | 16点 | 「もったいない」から考える社会問題 |
第3問 | 27点 | 市場経済と政府の役割 |
第4問 | 19点 | 現代社会の教科書に出てくるアルファベットの略語 |
第5問 | 12点 | 「買い物弱者問題」についての探究学習 |
高2生への学習アドバイス
★文章資料を読み解釈する力や、複数の資料を関連づけて考察する力が要求される。普段から資料集などをよく読んでおこう。さらに、資料をどのように活用していくかということも考えるようにしよう。
★知識をもとに考察する問題に対応するために、用語の暗記だけではなく、用語の内容まで正しく理解しておくことが重要。また、事象同士の横のつながりを意識したり、異なる分野の事象がどのように影響し合っているかを関連づけたりしながら学習を進めよう。
倫理、政治・経済
出題の特徴
すべての設問が単独科目「倫理」および「政治・経済」と共通で、独自問題はなし。政治・経済分野では、資料や模式図を用いた考察問題が多く見られた。一方、倫理分野では、リード文と会話文を結びつけて考える出題があったものの基本的な事項を問う問題が中心。難易は昨年センター試験並。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 12点 | 「恥」の観点から捉える源流思想 |
第2問 | 12点 | 日本における時間の捉え方と人生観・世界観 |
第3問 | 12点 | 良心をめぐる西洋近現代思想の流れ |
第4問 | 14点 | 歴史の多様性とその捉え方 |
第5問 | 19点 | 法と人権、政治体制 |
第6問 | 19点 | 日本の労働、財政・金融や国際経済の現状 |
第7問 | 12点 | 日本による発展途上国への開発協力のあり方 |
高2生への学習アドバイス
★倫理分野では、文章の読解力・理解力を身につけることが大切。原典資料や思想に関する説明文を読解する力や文章の趣旨をとらえて論理的に思考する力を養うために、日頃から原典資料などに親しんでおこう。
★政治・経済分野では、問われている内容を正確に理解する力や、複数の資料から必要な情報を抽出する力を身につけることが大切。そのためには、新聞やニュース、資料集などを活用し、論点を整理したり、根拠となる統計資料を確認したりするなど、日頃から文章や統計資料に慣れ親しんでおこう。