先輩からの入試直前アドバイス
入試が近づくと気になるのが、昨年、先輩たちが実際にどんな気持ちで、具体的に何の準備をしていたのか。先輩たちの行動を知ることで、受験前にやっておくべきことを確認しよう。
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来年に向けて! <国・数・英>共通テスト問題分析&高2生へのアドバイス
今年から始まった大学入学共通テスト(以下、共通テスト)。新聞などで問題が公開されたので、すでに問題に挑戦してみた人もいるだろう。共通テストの受験を来年に控えた高2生に向けて、共通テスト第1日程の問題分析と、これからの学習アドバイスを公開。本ページは国語・数学・英語について解説している。早速今日からの学習に生かそう。
国語
出題の特徴
センター試験の出題傾向を踏まえつつ、複数の文章や資料を関連づけながら応用的な思考力を問う設問が、すべての大問で見られた。例えば第1問では、「ノート」による学習の過程を想定した出題。昨年のセンター試験と比べて、設問数は減少したが解答数は増加、やや難化している。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 50点 | 近代以降の文章 |
第2問 | 50点 | 近代以降の文章 |
第3問 | 50点 | 古文 |
第4問 | 50点 | 漢文 |
高2生への学習アドバイス
★本文の展開を的確にとらえ、論旨や内容を精確に読み取る練習をしておこう。さらに、複数の資料から情報を読み取ってそれぞれの共通点や相違点をとらえる練習など、表面的な読解にとどまらず、深く考える力を身につけよう。
★漢字や語句の意味、重要語や古典文法など、基礎的な知識を問う設問は共通テストでも引き続き出題される。日々の学習や学校の授業などを通して、一つひとつの知識事項を習得していくことを心がけよう。
数学T・A
出題の特徴
大問数、配点は昨年センター試験と変わらず、一方で試験時間の増加に伴い、文章量や計算量は増加。「数と式」「場合の数と確率」で会話形式の問題が、「2次関数」で陸上競技のストライドとピッチを題材とした問題が出題された。問題設定の説明だけで冒頭1ページを要するなど文章量が非常に多い。昨年センター試験より易化。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 30点(必答) | 数と式、図形と計量 |
第2問 | 30点(必答) | 2次関数、データの分析 |
第3問 | 20点(選択) | 場合の数と確率 |
第4問 | 20点(選択) | 整数の性質 |
第5問 | 20点(選択) | 図形の性質 |
高2生への学習アドバイス
★問題量が大幅に増加したため、解答時間が足りなくなることが想定される。解答に必要な情報はどこに書かれているかを意識して問題を読むなど、効率的に問題を解き進められるようにしよう。
★日常事象を題材とした問題は文章量が非常に多いうえに、図や表も含まれる。解答に必要な情報を素早く抜き出し、誘導に従って条件を数式化する力を身につけよう。
数学U・B
出題の特徴
関数の性質やグラフの特徴を考察する問題、会話形式の問題が、試行調査と同様に出題。また、これまでのセンター試験では第5問であった「確率分布と統計的な推測」が第3問で出題された。昨年のセンター試験と比較すると、ページ数は増加したが計算量が減少したため易化。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 30点(必答) | 三角関数、指数関数・対数関数 |
第2問 | 30点(必答) | 微分法・積分法 |
第3問 | 20点(選択) | 確率分布と統計的な推測 |
第4問 | 20点(選択) | 数列 |
第5問 | 20点(選択) | ベクトル |
高2生への学習アドバイス
★文章量が増加したため、素早く正確に情報を整理し処理する力が必要。求めたいものは何かをまず探したり、これまで求めたものを整理する習慣を身につけよう。
★見慣れない問題を解く際は、値を代入して結果を推測したり、条件を読み替えたりして、自分の知っている知識と結びつけることが重要。焦らずに、どのような数学的性質を用いればよいか、どこに着目すれば選択肢を消去できるかなどを考え、見通しを立てて解き進めるようにしよう。
英語(リーディング)
出題の特徴
大問すべて読解問題の新形式に変わり、扱われた題材は日常的なものから意見文や叙述文までさまざま。意見と事実の区別を問うもの、解答として当てはまるものを2つ選ぶ問題などが出題された。読解量が大幅に増加し、素早く多面的に情報を処理することが求められたものの、難易は昨年センター試験並。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 10点 | 情報・意図の読み取り |
第2問 | 20点 | 概要・要点の把握、情報整理 |
第3問 | 15点 | 短い文章の概要把握 |
第4問 | 16点 | 複数素材からの情報読み取り |
第5問 | 15点 | 概要把握、要点整理 |
第6問 | 24点 | 概要・要点・論旨の把握 |
高2生への学習アドバイス
★コミュニケーション重視の観点から、内容や場面が工夫され、多面的なリーディング能力が問われている。「情報処理的視点からの文章の理解力」や「出来事の展開を叙述する文章の理解力」、「まとまりのある説明的な文章の理解力」をそれぞれ意識しつつ伸ばしていこう。
★日頃から場面や目的に応じた多種多様な英文素材を読むことが大切。複数の英文と図表の内容を組み合わせて考えるなどさまざまな情報処理を必要とする読解の練習を、短時間に数多く行えるようにしておこう。
英語(リスニング)
出題の特徴
昨年センター試験と比べて、音声情報と図表などの視覚情報を組み合わせて答える問題が増加。日本語で設問の状況を与えられるなど、各場面や目的に応じた聞き取りを要する、実践的な英語力が問われた。大問数が増加し、第3問以降は流れる音声の回数が1回のみに。難易は昨年センター試験並。
大問構成
大問 | 配点 | 出題分野 |
---|---|---|
第1問 | 25点 | 短発話・英文/イラスト選択 |
第2問 | 16点 | 短い会話・イラスト選択 |
第3問 | 18点 | 短い会話・Q&A選択 |
第4問 | 12点 | モノローグ・図表/条件選択 |
第5問 | 15点 | 講義・ワークシート完成 |
第6問 | 14点 | 会話文Q&A/内容把握 |
高2生への学習アドバイス
★音声情報の表面的な理解にとどまらず、具体的な状況やイメージを頭の中で思い浮かべられるかどうかがポイント。場面や目的を意識しながら、音声を聞く練習を積もう。
★今後も、音声情報と図表などの視覚情報をもとに解答したり、複数の情報を整理・判断したりするなど、多面的な情報処理力が求められると予想される。重要な情報を逃さずに聞き取ることができるように、メモを活用して素早く情報を整理する練習をしよう。