データネット2021 2021年度 大学入学共通テスト 自己採点集計

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志望大合格に向けて、これから何をすればいいか確認しておこう!

大学入学共通テストへの移行による変更点

9/24 10:00 公開

大学入学共通テスト(以下、共通テスト)へ移行するにあたって、センター試験とどんな点が異なってくるのでしょうか? 特に、センター試験の過去問を対策に活用している受験生にとっては気になるところです。
さらに2021年度入試は、新型コロナウイルス感染症対策として特別な措置がとられています。2021年度入試のポイントをまとめてチェックしましょう。

センター試験と共通テスト、何が違う?

センター試験からの主な変更点として、以下のものがあげられます。

ポイント1 思考力・判断力・表現力などを駆使して解く問題も出題

これまでのセンター試験で蓄積された良問を受け継ぎながらも、大学教育の基礎力となる知識の理解の質を問う問題や、思考力・判断力・表現力などを駆使して解くような問題も出題されます。
共通テストの過去問はありませんが、平成29・30年度に実施された試行調査(プレテスト)や最近のセンター試験過去問題、また、このページの次の項目 「出題傾向はどうなる?対策は?」なども参考に、傾向をつかんでいきましょう。

ポイント2 リスニングの配点比率は高まる傾向に

●外国語の「英語(筆記)」は「英語(リーディング)」に名称が変わり、「リーディング」と「リスニング」の配点も、これまでは200点(リーディング)+50点(リスニング)だったのが、100点+100点の同配点になります。ただし、大学ごとに入試でのリスニングの比重(重みづけ)は異なります。
国公立大で見ると、これまでのセンター試験ではリスニング「配点比率20%」が標準でした。しかし2021年度の共通テストでは、本調査の募集単位のうち「配点比率20%」は5割ほどにとどまりました(5月中旬時点)。北海道大や広島大をはじめとする2割以上が「配点比率50%」を採用したように、リスニング重視の傾向は高まっています。 また、これまでセンター試験のリスニングを利用しなかった大学でも、例えば東京大や千葉大などのように、共通テスト移行を機にリスニングの成績を合否判定に利用することを決めた大学もあります。出願を検討する大学の募集要項はしっかり確認しましょう。

国公立大における共通テスト英語リスニング配点比率
リスニング比率 募集単位割合
20% 52.9%
25% 16.8%
50% 22.4%
その他 7.8%
*ベネッセ調べ。5月中旬までに確認した約1,800の募集単位情報をもとに作成

●リーディングでは、センター試験の第1問、第2問で出題されていた「発音、アクセント、語句整序など」の問題を単独で問うことはなくなります。第1問から文章読解の問題で始まる構成になることが予想されます。

●リスニングの問題音声は、センター試験の時には2回流れましたが、共通テストでは2回と1回の混在となります。一度で聞き取れるように練習が必要になります。

問題 第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 第6問
流れる回数 2回 2回 1回 1回 1回 1回
※第3問は、試行調査では2回流れましたが、共通テストでは1回になります。

ポイント3 数学、理科の変更点

●「数学@」の試験時間が60分から70分に変更になります。そのため、2日目の「数学@」以降の時間割が10分ずつ後ろに倒れます。

●「理科A(物理、化学、生物、地学)」では、センター試験では選択問題がありましたが、共通テストではなくなります。

※参考資料:大学入試センター発表「共通テストの受験案内(外部サイト)」

出題傾向はどうなる? 対策は?

前述の通り、「思考力・判断力・表現力などを駆使して解くような問題」など、出題にも変化が見られそうな共通テスト。試行調査(プレテスト)や最近のセンター試験の問題をふまえて、共通テストで求められそうな学力と学習の取り組み方を考えてみましょう。

「リーディング」では、これまで日本語で書かれた設問文から英語になり、センター試験よりも英文の総語数が圧倒的に増え、読む力や思考力がさらに幅広く問われるようになります。手紙やブログ記事、図表を含む説明文、読者のコメント、伝記といった多様なジャンルや形式の英文が並び、情報をすばやく把握して問題を解く力が必要です。発音・アクセントや語い、文法の知識を直接的に問う出題はなくなりますが、基本的な知識・理解は不可欠。基礎をおろそかにせず、さらに大量の英文を読む力・思考する力をつけていきましょう。
「リスニング」では、読み上げられる英文の総語数がセンター試験より増え、さらに1回のみ流れる問題や、図表やワークシートを完成させる問題など、新しい形式の出題が予想されます。イラストなどを使った問題も増え、音声と文字・視覚情報を組み合わせて解答したり、複数の情報をもとに判断したりと、幅広い対応力が問われます。本番までにさまざまな問題に触れ、予想外の形式にも柔軟に対応できるよう準備しておきましょう。

これまで通り、基本事項の定着や限られた時間の中で多くの処理・考察が必要なことに変わりはありません。共通テストではさらに、「日常生活や社会の事象」をテーマとした問題や、数学の定理・公式の深い理解が問われる問題が出題されると考えられます。
問題の導入部分などでテーマや状況を説明するための文章が多く、読解力や必要な情報を抜き出す力が必要になります。複数のグラフ・図・表を扱うことも予測されるため、「どのように考えれば効率的に解答できるか」を意識しながら演習を行うことが大切です。また、普段から定理や公式を単に暗記するのではなく、「なぜ成り立つのか」といった本質についての疑問を持ちながら学習することを心がけましょう。

近代以降の文章2問、古文1問、漢文1問の構成はセンター試験と変わりませんが、1つの大問に1題材だけでなく、異なる種類や分野の文章を組み合わせた複数の題材を通して、深い思考力を問うような出題が予想されます。複数の資料から情報を読みとって関連づけたり、本文の趣旨を身近な具体例に当てはめたりするなど、深く考える力を身につけましょう。
とはいえ、基礎的な問いがなくなるわけではありません。漢字や語句の意味、古典では重要古語や文法、和歌の修辞、古文常識など、漢文では重要語や句法などを繰り返し復習し、取りこぼさないことが大切です。

新型コロナウイルス感染症対策による変更点は?

ポイント1 2つの日程で実施

新型コロナウイルス感染症の影響による学業の遅れが考慮され、2021年度入試は1月に2回の日程で実施されることになりました。試験実施日は以下の通りです。

第1日程:令和3年1月16日(土)、17日(日)
第2日程:令和3年1月30日(土)、31日(日)

第2日程は、2021年3月卒業(修了)見込みの希望者で、学校長が認めた場合に選択できます。在籍する高等学校等で説明を受けた上で、出願の手続きを行います。

ポイント2 特例追試験が設けられた

上記第1日程を疾病や負傷などやむを得ない事情で受験できない場合は、第2日程を追試験として受験できます。
第2日程に申し込んでいて、同様にやむを得ない事情で受験できない場合は、2月に設けられた特例追試験を受験できます。

特例追試験:令和3年2月13日(土)、14日(日)

なお、特例追試験の出題教科・科目の出題方法や試験時間割は第1日程・第2日程のものとは異なり、センター試験に準ずるものとなります。そのため「数学@」は60分になったり、英語「筆記」は発音・アクセント・語句整序などの問題も出題されたりするので、注意が必要です。