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問題講評【数学I】

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― 第2問で現実事象、第3問でグラフ表示ソフトの問題が出題。難易は昨年並 ―

第3問と第4問の分野の順序は昨年と変更。第2問は、水平面と斜面にできる電柱の影の長さについて考察する現実事象の問題が、第3問は、グラフ表示ソフトを用いた2次関数の問題が出題された。難易は昨年並。

1.全体概況

【大問数・解答数】 昨年と同様、大問数は4ですべて必答。第1問・第2問・第3問は、2中問構成であった。
【出題形式】 選択肢から選ぶ問題の解答数は、昨年が21個であったのに対し、今年は23個であった。第2問〔2〕は、現実事象を題材とした問題が出題され、第3問〔1〕でグラフ表示ソフトを素材とした問題が出題された。
【出題分野】 数学Iの全分野から出題。
【問題量】 ページ数は23ページ(下書き用紙除く)で、昨年より1ページ増加した。
【難易】 昨年並。

2.大問別分析

第1問「数と式」、「集合と命題」 (20点・標準)  〔1〕は数学I・Aと共通 

〔1〕は、√13の整数部分と小数第1位と第2位を求める問題。前半で、2√13の小数部分とその逆数について考察させて、それらを用いて、後半で√13の整数部分と小数部分を考察することが求められた。〔2〕は、倍数に関する集合の問題。集合A、B、C、Dの和集合や共通部分を、倍数に関する条件に読みかえ、集合の関係に関する必要条件と十分条件の理解が問われた。

第2問「図形と計量」 (30点・やや難)  〔2〕は数学I・Aと共通 

〔1〕は、三角形ABCの辺BCの長さと∠ABCの大きさが与えられたときの外接円の半径に関する問題。(1)は、正弦定理から辺ACの長さ、余弦定理から辺ABの長さを求める問題。(2)は、三角形ABCが1通りに決まるとき、外接円の半径の条件を求める問題。〔2〕は、水平面と斜面にできる電柱の影の長さについて考察する現実事象の問題。問題文から情報を読み取り、三角比の定義から電柱の高さや斜面の影の長さを求める必要があった。

第3問「2次関数」 (30点・やや難)  〔2〕は数学I・Aと共通 

〔1〕は、グラフ表示ソフトを素材とした2次関数のグラフの問題。(1)は、与えられた2次関数のグラフの係数の符号を求める問題。(2)は、操作A、B、Cのうち不等式や方程式について、与えられた条件を満たす操作を選ぶ問題。操作A、B、Cを行った後のグラフがどのように動くかをイメージする力が求められた。 〔2〕は、台形の辺上を【規則】に従って動く点P、点Qと1つの定点Bでできる三角形PBQの面積に関する問題。(2)以降は、問題を解く際に変数を自ら設定して三角形PBQの面積を関数として表し、面積の最大値や最小値、面積が10以下となる時刻を求める。(3)以降は、(2)を参考にして、場合分けをする必要があった。

第4問「データの分析」 (20点・標準)  数学I・Aと一部共通

Webページで公表されている「陸上競技ランキング」から、男子マラソンの日本人選手のベストタイムをもとに、 2018年までと2018年以降のベストタイムから上位50名の選手をヒストグラム、箱ひげ図、散布図などで考察する問題。(1)は、ヒストグラム・箱ひげ図からデータを読み取り、代表値や四分位範囲の比較などをする基本的な出題であった。また、(iii)では与えられた式にもとづき、2つのデータを変換し比較する問いが出題された。(2)は、与えられた散布図のデータの読み取りや相関係数を求める問題であった。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度 2023 2022 2021 2020 2019
平均点 37.84 21.89 39.11 35.93 36.71

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