問題講評 歴史総合,世界史探究
既習事項と資料の読み解きを組み合わせて正解を導くことが求められた。昨年より難化
第1問は「地理総合/歴史総合/公共」の『歴史総合』第2問と共通問題であった。文献資料、マンガや絵画、地図、グラフなどの様々な資料と、それらをまとめたパネルやメモを用いた問題が多く出された。昨年に引き続き、歴史研究における資料の取り扱いをテーマとした大問や、ジェンダーに関連した設問がみられた。大問内に出された資料を比較検討して、共通点や類似点を問う出題が増加した。難易は昨年より難化。
1.全体概況
| 大問数・解答数 | 大問数5、解答数32個は昨年から変更なし。第1問は『歴史総合』第2問との共通問題であった。 |
|---|---|
| 出題形式 | 昨年と同様に、組合せ問題が中心の出題であった。文献資料、マンガや絵画、地図、グラフなど、様々な資料が使用された。 |
| 問題量 | 昨年よりやや増加。 |
| 難易 | 昨年より難化。 |
2.大問別分析
第1問「近現代における都市の変容」 (25点)
『歴史総合』第2問と共通問題。Aではパリと東京に着目しながら多様な資料を考察する出題がなされ、Bでは植民地化されたアジアの都市としてサイゴン、京城、香港の歴史が扱われた。問1では、「近代化」が進む時期に生じた社会の変容を判断することと、資料に示される情報を具体化することが求められた。問8では、Bパートのまとめとして3つの都市の住民構成が分かるグラフを比較し、パート内で与えられた情報に基づいてメモの内容の正誤を判断できるかがポイントとなった。
第2問「世界史上における様々な法のあり方とその運用」 (21点)
Aでは唐代の律とそれに基づいて作成された模擬問答、Bでは中世ヨーロッパにおける慣習法、Cでは19世紀末のエチオピア周辺における裁判記録を題材に、問題が展開された。問4では、農奴の行動原則についての知識と、例外となる事例を資料から読み取ることができるかが問われた。問7は大問を総括する問題であり、帝政ローマ後期の資料と比較することができる学習活動を判断することが求められた。
第3問「歴史に触れるきっかけや歴史を伝える手段」 (18点)
Aではフランス革命を描いたマンガ『ベルサイユのばら』に関する会話文、Bでは絵画や風刺画に関する会話文、Cではカザフスタンの都市アルマティにある女性兵士像に関するパネルを中心に、問題が展開された。問1では、マンガの台詞から歴史事象を想起したうえで、2つの出来事との正しい年代順を判断することが求められた。問5は、グラフの読解に加えて、戦間期のソ連に関する知識をもとにグラフの状況を考察する問題であった。
第4問「歴史上に見られた様々な「帝国」のあり方」 (18点)
Aではローマの支配者の権力のあり方に関する資料、Bではムガル帝国期のグジャラート地方について書かれた本、Cでは19世紀末のキューバ独立運動の指導者ホセ=マルティの論説を題材に、問題が展開された。問1では、資料の読解をもとに、共和政時代のローマが帝国と呼べる存在であったと解釈することがポイントであった。問6は大問を総括する問題であり、それぞれの帝国のあり方に関する共通点を考察することが求められた。
第5問「税制度と社会変容」 (18点)
明清時代の中国における税制度の変化がもたらした社会変容についてのパネル、オスマン帝国の税制に関する勅令の一部、ドイツの経済学者リストがまとめた請願書、第二次世界大戦直後に締結された協定の第1条、モンゴル帝国がユーラシア大陸に広く影響を与えた時期の中国における税に関する資料を題材に、生徒が探究活動を行う構成であった。問2では、オスマン帝国における税制としてティマール制を想起できるかがポイントであった。問5は大問を総括する問題であり、問1から問4をふまえて、さらなる探究活動の方針を考察する必要があった。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
| 年度 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 66.12 | 60.28 | 58.43 | 65.83 | 63.49 |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション