問題講評 旧政治・経済
正確な知識と読解力が求められ、解答に時間を要する問題もみられた。昨年よりやや易化。
「旧倫理、旧政治・経済」との共通の設問が4大問中3大問で出題された。国際政治分野からの出題が増加し、政治分野の出題が減少した。条約・統計・図などの多様な資料を読み解く力や正確な知識が求められ、解答に時間を要する問題もみられたが、問題難易は難しかった昨年よりやや易化。
1.全体概況
大問数・解答数 | 大問数4、解答数30個で昨年から変更なし。第2問・第3問・第4問の一部は「旧倫理、旧政治・経済」との共通問題。 |
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出題形式 | 昨年と比べて、組合せ問題が増加し文章選択問題が減少、4択の問題が増加したが、8択の問題などが減少した。年代の並び替えが組合せ問題として出題された。 |
出題分野 | 昨年と比べて、国際政治分野からの出題が増加し、政治分野の出題が減少した。各分野を融合した出題がみられた。 |
問題量 | 昨年並。 |
難易 | 問題難易は昨年よりやや易化。 |
2.大問別分析
第1問「国民の意思と経済政策」 (26点・やや難)
政治分野・経済分野からの出題。正確な知識を問う問題が多くみられた。問3では日本銀行がとった金融政策の内容と実施された時期を正しく理解しているかが問われた。また、問6では衆議院の解散について基本的な事項が問われた。
第2問「経済学とはなにか」 (25点・標準)
経済分野・国際経済分野からの出題。経済分野から国際経済分野まで多岐にわたって出題された。問1では市場メカニズムの基本である需給曲線について出題された。問6では日本の輸出総額に占めるアメリカ、中国、アジアNIES、ASEANへの輸出割合の推移と、日本の貿易摩擦の変遷の並び替えが、組合せとして出題された。
第3問「国内法と国際法」 (25点・やや難)
政治分野・経済分野・国際政治分野からの出題。資料問題の出題が目立った。問4では選択的夫婦別姓を題材に、条約と憲法の関係が問われた。問6ではICCの国際犯罪に関する起訴手続きの資料について、時事的な観点から問われた。
第4問「公正な地球社会の実現」 (24点・標準)
政治分野・経済分野・国際政治分野からの出題。問5では模擬的な国連会議を利用して各国の核軍縮条約についての立場を理解させる問題であった。問6では経済的な格差について、ピケティやセンの資料を読み取らせる出題であった。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
年度 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 |
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平均点 | 44.35 | 50.96 | 56.77 | 57.03 | 53.75 |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション