問題講評 生物
例年通り考察問題は多くみられたが、正誤の判断がしやすく、昨年よりやや易化
昨年同様、5大問必答であったが、中問構成の大問はなくなった。総ページ数は増えたが、読み取る情報量はあまり増えなかった。与えられた情報をふまえて考察する設問が多くみられたが、選択肢の数が多い設問が減り、正しい選択肢を選びやすい設問が増えたため、昨年よりやや易化。
1.全体概況
| 大問数・解答数 | 大問数5、解答数25個は、昨年から変更なし。 |
|---|---|
| 出題形式 | 文章選択問題を中心に出題された。 |
| 問題量 | 昨年と比べて増加。昨年26ページであったページ数は32ページになった。 |
| 難易 | 昨年よりやや易化。 |
2.大問別分析
第1問「生物の進化」 (20点)
人類進化の過程、遺伝的浮動、集団遺伝が出題された。問1は、人類の進化と系統に関する知識問題であった。問2(1)では、遺伝的浮動に関するシミュレーションについて判断することが求められた。(2)は、集団遺伝に関する計算問題であった。問3は、一塩基多型を調べる電気泳動の結果を予想する問題であった。問4は、人類進化の過程で起きた遺伝子組換えについて、データをいかに利用するかを判断し、推論する問題であった。新しいパターンの出題であり、判断に困る受験生も多かったのではないかと思われる。
第2問「生命現象と物質」 (20点)
細胞骨格とモータータンパク質について出題された。問2では、微小管における2種類のモータータンパク質による小胞輸送の仕組みについて、問3では、精子の尾部の屈曲運動の仕組みについて、二つの実験結果をもとに考察することが求められた。問3(1)は、除膜した精子の尾部の屈曲運動について、問3(2)は、精子の尾部の結束構造の働きについて、実験結果から推論する問題であった。教科書での扱いが小さいモータータンパク質が題材となり、戸惑った受験生もいただろう。
第3問「遺伝情報の発現と発生」 (20点)
ショウジョウバエの発生について、複数の図をもとに判断する内容が問われた。問1は、交配実験を通して、卵に蓄積する母性因子の理解を問う問題であった。問2は、体の前後軸を決定するタンパク質の相互の働きを、実験とその結果を示す図表をもとに考察する問題であった。問3は、前後軸の分化にかかわる遺伝子の転写を調節する仕組みについて、複数の図とグラフから考察する問題であった。
第4問「生物の環境応答」 (20点)
植物の胚軸の成長や動物の捕食回避行動について出題された。問1は、動植物の刺激の感知と反応に関する基本的な知識について出題された。問2は、植物の芽生えの胚軸におけるセルロース繊維の向きの変化を題材に、実験結果をもとに植物ホルモンの働きと関連付けて考察する問題であった。問3は、ガがコウモリによる捕食を回避する際に示す行動について、実験結果やグラフから考察する問題であった。
第5問「生態と環境」 (20点)
汽水域のマングローブを題材に、実験考察問題が多く出題された。問1では、人間活動による生態系への影響についての知識が問われた。問2は、植物の根の近くの土壌と植物から離れた場所の土壌を比較した表を読み取る問題であった。問3は、根の皮目や皮層の細胞間隙を通して、大気と根の内部のつながりを調べた実験問題であった。問4は、根の皮目を通じた窒素獲得の仕組みについて、複数の実験結果から得られた図をもとに考察する問題であった。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
| 年度 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 52.21 | 54.82 | 48.46 | 48.81 | 72.64 |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション