問題講評 歴史総合,日本史探究
地引網漁を描いた図など多様な資料が用いられ、時代横断的な出題割合が増加。昨年よりやや易化
第1問は「地理総合/歴史総合/公共」の『歴史総合』と共通問題であった。大問数は6で昨年から変更はないが、解答数は34個で昨年より1個増加した。昨年出題されなかった連動型が1問出題された。「東寺百合文書」など多数の文字資料が現代語訳されたり、風刺漫画や生徒のまとめたノートが資料に利用されたりするなど、資料読解を通じて歴史的思考力が問われた。難易は昨年よりやや易化。
1.全体概況
| 大問数・解答数 | 大問数6は昨年から変更なし。解答数34個は昨年の33個から1個増加した。第1問は『歴史総合』と共通問題であった。 |
|---|---|
| 出題形式 | 文章選択および組合せ形式中心の出題で、バランスのとれた構成であった。年代整序問題は昨年の3問から2問減少して1問となった。また、昨年出題されなかった連動型の出題がみられた。 |
| 問題量 | 昨年並。 |
| 難易 | 昨年よりやや易化。 |
2.大問別分析
第1問「災害の歴史」 (25点)
『歴史総合』第1問と共通問題。Aでは災害の要因や開発との関係、Bでは災害への対応や災害後の社会が主題として設定された。問4では、時期に注目するとともに、冷戦に関する概念的理解を用いて図を読み、当時の政治体制について判断することが求められた。問7では、1990年代以降の日本における地震の発生と、それに対する歴史資料の保全活動に向けた民間団体と政府の動きを事例に、現代的な諸課題とその解決策が取りあげられた。
第2問「日本の漁業の歴史」 (15点)
縄文時代から江戸時代にかけての日本の漁業の歴史について、図や資料を用いて問われた。問2では、漁業の仕組みに関するノート1を踏まえた計算とともに、地引網漁を描いた問1や問3の図も参照しながら総合的に判断する力が求められた。
第3問「絵画資料の読み取り」 (15点)
Aでは飛鳥時代から平安時代にかけて、Bでは平安時代と鎌倉時代について、政治史と文化史を中心に出題された。問3では、政治の転換の契機となった出来事と、契機と考えられる理由が組合せで問われた。選択した出来事によって対応する理由が変わる連動型であった。問5では、歴史資料の成立背景や特性に関する理解が問われた。過去の事実について資料がまとめられる背景には、時間の経過や特定の目的があることを踏まえておく必要があった。
第4問「中世における女性と政治との関わり」 (15点)
中世における女性と政治との関わりをテーマに、鎌倉・室町時代を中心に、政治史の基本的知識や荘園制について問われた。問4では、院政期を特徴づける用語やその意味が把握できているかどうかが問われただけでなく、領域型荘園についての理解も求められた。長講堂領の成立など荘園制の変遷に関する正確な知識が必要であった。
第5問「近世の城郭」 (15点)
近世の城郭やその特徴・役割についてまとめたノートをもとに、政治史や文化史など幅広い分野から出題された。問4では地方の城下町の概念図が示され、その読み取りと城下町の軍事的な役割や区画などが問われた。
第6問「近現代の日本における政治的リーダーシップ」 (15点)
会話文形式で、戦前・戦後の日本の首相を軸に政治史を中心に出題された。問2では、風刺漫画を活用し、55年体制成立後の自民党と社会党の様相を比較するとともに、革新知事の誕生の時期や高度経済成長期の環境問題についての理解が問われた。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
| 年度 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 56.99 | 56.27 | 59.75 | 52.81 | 64.26 |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション