問題講評 公共,倫理
正確な知識とそれを活用する力に加え、読解力や論理的思考力も求められた。難易は昨年並
第1問・第2問は「地理総合/歴史総合/公共」の『公共』と「公共、政治・経済」との共通問題であった。組合せ問題では8択が増加し、昨年みられなかった5択が出題された。知識や概念と具体例とを結びつける問題、論理的思考力を求める問題が出題され、多様な資料も用いられた。難易は昨年並。
1.全体概況
| 大問数・解答数 | 大問数は6、解答数は33個から32個に減少した。第1問・第2問は、『公共』と「公共、政治・経済」との共通問題が出題され、第3問から第6問は倫理分野からの出題であった。 |
|---|---|
| 出題形式 | 文章選択問題が減少(19→12)し、組合せ問題が増加(14→18)した。組合せ問題では、8択の問題が増加(2→6)し、昨年みられなかった5択の問題が出題された。昨年同様、原典資料も用いられ、読解力や論理的思考力が求められる問いが目立った。昨年みられなかった模式図や写真も扱われた。また、昨年みられた連動型は出題されなかった。 |
| 問題量 | 昨年並。 |
| 難易 | 昨年並。 |
2.大問別分析
第1問「公正な社会の実現と社会保障」 (12点)
『公共』「公共、政治・経済」と共通問題。大問を通して、社会保障に関する生徒の思考の過程を追う構成であった。問1は、公助と共助についての具体的事例が出題されるとともに、社会保障制度の基本的な考え方について、ロールズの公正としての正義における格差原理と結びつける出題であった。
第2問「グローバル化社会の文化や宗教」 (13点)
『公共』「公共、政治・経済」と共通問題。大問全体が、グローバル化が進む現代社会の文化や宗教について生徒たちが探究を進めていく構成であった。問4は宗教のさまざまな捉え方を踏まえ、年中行事やマンガなど身近な文化的事柄がどのような意味を持つのかを、宗教と関連付けながら考察する力が問われた。
第3問「悪とは何か」 (28点)
源流思想・西洋思想分野を中心に出題され、同一設問内で源流思想と西洋思想を横断的に問う選択肢がみられた。問3は、ソクラテスに関する知識と原典資料を読解する力が問われた。問5は、信念と態度の区別を具体的事例に当てはめて解答する問題で、授業資料の内容を丁寧に読み取ることで正答を選ぶことができた。
第4問「日本における理と情」 (15点)
日本思想分野から、近世・近代を中心に出題された。問3は、和辻哲郎の風土論について、日本の風土の理解が問われた。基本的な知識があれば解答は可能である。問4は、武士社会における法と義についての会話を用いた問題であり、荻生徂徠の基本的な知識をおさえていることがポイントであった。
第5問「人間の脳と人工知能」 (16点)
「感情」に関する心理学分野と現代の諸課題分野から出題された。問2は、具体的な実験例を挙げた設問であり、実験の意図を理解するのに苦労した受験生もいたのではないか。問4は、7つの文章から正確な組合せを選ぶ8択問題であり、解答に時間がかかったと思われるが、QOLの知識があれば判断は容易であっただろう。
第6問「人間と自然との共生」 (16点)
現代の諸課題分野が思想と絡めて出題された。問2は、自然についての各思想家の正確な知識が問われた。問3は、現代の具体的な問題と諸課題の用語を関連づけて判断する問題であり、用語の正確な知識がなければ判断に苦しんだ受験生もいたのではないか。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
| 年度 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 59.74 | 56.44 | 59.02 | 63.29 | 71.96 |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション