データネット2026 2026年度 大学入学共通テスト 自己採点集計

問題講評 国語

第1問以外の大問で、言語活動や複数テキストの設問が出題された。昨年より難化

設問数は昨年より増加したが、解答数は1個減。昨年に続いて単一テキストからの出題であった第1問を除き、第2~5問では複数テキストや言語活動の設問で情報を比較したり関連付けたりする思考力が問われた。第3問ではグラフや表の読み取りはなかった。易しかった昨年にくらべて第1問・第2問が難しく、昨年より難化。

1.全体概況

大問数・解答数 大問数5は昨年から変更なし。設問数は第2問で1問減り、第4問で2問増え、第5問で1問増え、全体として2問増(25→27)。解答数は第5問で1個減り、全体として1個減(38→37)。
出題形式 第1問は、芸術に関する単一の論理的文章からの出題。第2問は、文学的文章および、本文への疑問と、同作品からの抜粋をまとめたノートからの出題。第3問は、自分の好きな本を一冊選び、その本にどのような工夫がみられるかについて考えるという課題を受けてまとめられた文章と資料などからの出題。第4問は、『うつほ物語』の一節からの出題。第5問は、複数の文章で、いずれも長野豊山が著した『松陰快談』の一節からの出題。
問題量 第1問は4200字。第2問は3600字、【ノート】が630字。第3問は【文章】が560字、【資料Ⅰ】が370字、【資料Ⅱ】が580字、【資料Ⅲ】が460字。第4問は970字、資料1点(文章110字)。第5問は161字、【資料】が42字であった。
難易 昨年より難化。

2.大問別分析

第1問「近代以降の文章」櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」(45点) 

筆者の体験を交えて書かれた芸術論。昨年同様単一テキストの出題。設問数(6問)と解答数(10個)は昨年と同じ。硬質な評論文であった昨年とは異なり随筆的な側面のある文章であったが、この種の芸術論を読み慣れていないと手ごわさを感じるところもあったのではないか。分量はやや増加。問1は漢字、問2~問6は傍線部に関する説明設問だが、問4は筆者の体験と芸術的体験一般とのつながりについての理解、また、問6は筆者の考える制作活動について文章全体の内容理解が求められた。

第2問「近代以降の文章」遠藤周作「影に対して」(45点)

2年続いた現代の作家から昭和後期の作家の出題となった。分量は問6の文章を含めるとほぼ昨年並、内容的にも標準的な難易度だが、過去(母)と現在(勝呂)の照応は小説読解の力がないと難しく感じるのではないか。設問数は6問で昨年より1問減。問6が原典の他の部分を抜粋した【ノート】と生徒の会話という、昨年本試にはなかった〈複数テキスト・学習場面設問〉となった。内容読解・表現・発展的思考といった〈問う内容〉は踏襲しつつ個々の設問形式には多様性を持たせようとするねらいが見てとれる。

第3問「近代以降の文章」【資料Ⅰ】山形昌也氏へのインタビュー記事「科学絵本のアプローチ」/【資料Ⅱ】大片忠明『イワシ むれで いきる さかな』/【資料Ⅲ】東京水産振興会『世界はイワシでできている?』(20点) 

昨年同様、複数のテキストの統合・解釈が求められたが、テキストはすべて(図を含む)文章形式となり、グラフや表と選択肢との単純な照合で解答できる設問はなくなった。設問要求の素早い把握のもと、どの資料をどのように用いるかの判断が求められた点は昨年の本・追試や令和7年度大学入学共通テスト実施前の試作問題における出題と通底しており、また設定が「絵本に見られる工夫」に着目させる点、設問が【文章】を適切な形に修正するといった、表現活動に関わっている点を踏まえても、引き続き新課程を意識した出題になっていると言える。

第4問「古文」『うつほ物語』(45点)

平安時代の作り物語からの出題。本文の分量は昨年とほぼ変わらないが、和歌の出題はなかった。解答数は昨年と同様で、問1の解釈の設問、問2の語句と内容に関する設問は従来通りの形式であった。問5は、本文と同一の作品の、本文より後の箇所が引用されている点と、教師と生徒の対話など現代語のサブテキストが付されていない点が目新しかった。全体として、複数の登場人物を整理しながら、内容を正確に把握する力が求められた。

第5問「漢文」長野豊山『松陰快談』(45点)

江戸時代後期の漢学者・長野豊山の詩論の文章。日本漢文の出題は2年連続である。問7で同じ豊山の文章が【資料】として提示され、2つの文章における、詩の評価に対する豊山の考えが問われた。最後の設問で短い文章を出題するのは、近年の追試で頻出した形式である。それ以外の設問内容は語釈・内容説明・解釈・書き下しなど例年通り。設問数が昨年より1問増えたが解答数は1個減少した。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度 2025 2024 2023 2022 2021
平均点 126.67 116.50 105.74 110.26 117.51

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