データネット2023 2023年度 大学入学共通テスト 自己採点集計

問題講評【国語】

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― 全大問で複数テキストを比較・関連付ける思考力を問う出題。昨年よりやや難化 ―

全大問で複数のテキストが提示され、全体の文章量はやや増加。第2問では本文と同時代に作成された広告を踏まえて本文の表現を考察する出題、第4問では官吏登用試験の【予想問題】と【模擬答案】を用いた出題がなされた。応用的・発展的な思考力がより求められ、昨年よりやや難化。

1.全体概況

【大問数・解答数】 大問数4は昨年から変更なし。設問数は第2問で2問増え、全体として昨年から2問増(22→24)。解答数は第1問で1個増え、全体として昨年から1個増(36→37)。
【出題形式】 第1問はル・コルビュジエの建築について論じた2つの文章が示され、生徒の話し合いの様子をもとにした設問があった。第2問では本文と同時代に作られた広告が提示され、それらについてまとめた文章の空欄を埋める設問が出題された。第3問では資料として本文と同じ作者の文章が示され、連歌に関する設問があった。第4問は白居易が作った官吏登用試験の【予想問題】と【模擬答案】の2つの文章による構成であった。
【出題分野】 昨年と同様、近代以降の文章2題、古文1題、漢文1題という構成であった。
【問題量】 第1問は【文章I】は2300字、【文章II】は1100字。第2問は4100字、資料3点。第3問は1100字、資料1点。第4問は【予想問題】は38字、【模擬答案】は154字であった。
【難易】 昨年よりやや難化

2.大問別分析

第1問「近代以降の文章」柏木博『視覚の生命力――イメージの復権』/呉谷充利『ル・コルビュジエと近代絵画――二〇世紀モダニズムの道程』 (50点・やや難) 

昨年に続き関連するテーマの2つの文章による出題。分量は昨年と同程度だが、両文章とも昨年よりは硬質な評論文で、設問も手ごわいものが多かった。問1が意味を含む漢字の問い、問2~5が通常の読解、問6が生徒の学習場面を想定した設問という大きな流れは昨年通り。問6は昨年の<メモ>から<話し合い>の形になったが、2つの文章の関連や両者をまとめたやや発展的な考えを問うという設問内容は昨年と共通するものだと言える。(ⅰ)で両文章に共通する引用文の比較が問われたのが目をひく。

第2問「近代以降の文章」梅崎春生「飢えの季節」 (50点・標準) 

第二次世界大戦終結直後の食糧難の時代を舞台にした、戦後作家の文章からの出題。設問数は5問から7問と増えたが、解答数は昨年と同じく8個。問1~6で主人公の心情に関して問われ、問7で本文と同時代の広告の【資料】、その【資料】と本文の考察から導いた見解を記すための【構想メモ】、それに基づいて書かれた【文章】という3つのテキストを関連付けて、本文の理解を深める発展的思考を問う出題があった。

第3問「古文」源俊頼『俊頼髄脳』/源俊頼『散木奇歌集』 (50点・標準) 

本文の『俊頼髄脳』は平安時代の後期の歌論、問4で用いられた『散木奇歌集』は平安時代の後期の家集である。問4(ⅰ)(ⅱ)は、連歌に関する『散木奇歌集』のテキストを読むことで、『俊頼髄脳』の連歌の表現について理解を深める形式の設問となっている。(ⅲ)は『俊頼髄脳』の話の顛末を理解させる形となっている。

第4問「漢文」白居易『白氏文集』 (50点・やや難) 

筆者がみずから作成した官吏登用試験の【予想問題】とその【模擬答案】の組合せ。いずれも論説的な文章であった。そのため、解釈・書き下し、いずれの設問でも漢文の論説的文章の特徴である対句的表現に着目して解答することが要求され、比喩の内容の理解も求められている。最後の設問では主に【模擬答案】の内容が問われた。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度 2022 2021 2020 2019 2018
平均点 110.26 117.51 119.33 121.55 104.68

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