問題講評 化学
ポリイミドに関する問いが目新しい。文章量が減少し、典型的な問題が増加。昨年より易化
表や図・グラフから解答に必要な情報を抽出する問題が複数出題された。アルコールロケットの実験に関する問題は、与えられた条件を組み合わせて計算する力が求められた。見慣れない化合物であるグルタチオンやポリイミドを題材とした出題があった。文章量が減少し、典型的な問題が増加した。昨年より易化。
1.全体概況
| 大問数・解答数 | 昨年選択大問を含んで6であった大問数は5に減少し、全問必答となった。昨年32個であった解答数は33個に増加した。 |
|---|---|
| 出題形式 | 語句選択問題を中心に出題された。 |
| 問題量 | 昨年と比べて減少。昨年33ページであったページ数は29ページになった。 |
| 難易 | 昨年より易化。 |
2.大問別分析
第1問「物質の状態と平衡」 (20点)
分子の構造と性質、コロイド溶液、固体の溶解度、金属の結晶格子、気体に関する問題が出題された。問2は、コロイド溶液の電気泳動と凝析に関する問題であった。問4は、六方最密構造の結晶格子の断面に含まれる原子の中心の配置図を選択する問題であった。問5は、アルコールロケットの実験を用いた気体に関する問題で、反応するエタノールの量を化学反応式の量的関係から求める問題と、温度による圧力の変化を求める問題であった。
第2問「物質の変化と平衡」 (20点)
化学反応と熱、電気分解、反応速度、電離平衡に関する問題が出題された。問1は、反応エンタルピーに関する正確な知識を要する問題であった。問2は、電極で析出した金属の質量から、電気分解に用いた電気量を問う基本的な計算問題であった。問3は、五酸化二窒素の分解反応の反応速度式における速度定数を、実験データから求める問題であった。問4bは、緩衝液を題材に、平衡移動に関する理解が問われた。
第3問「無機物質」 (20点)
水素原子の酸化数、リンの性質、金属の原子量、遷移元素、溶解度積、金属イオンの分離に関する問題が出題された。問2は、リンとその化合物の性質や保存方法などに関する知識が問われた。問4では、遷移元素に関する正確な知識が求められた。問5aは、硫化鉄(II)が沈殿するときの水素イオン濃度を求める計算問題であった。問5bは、沈殿の色から操作方法を考える問題で、金属イオンの性質に関する正確な知識が求められた。
第4問「有機化合物、高分子化合物」 (20点)
芳香族化合物の反応、脂肪族化合物の構造決定、アルケンの異性体、糖類、ペプチド、グリシンの構造に関する問題が出題された。問2は、与えられた四つの条件から当てはまる構造を選択する問題であった。問5aは、グルタチオンの構造や性質に関する問題であった。問5bは、異なるpHのもとでのグリシンのおもな構造を選択する問題であった。計算問題がなく、基本的な知識を確実に押さえておく必要があった。
第5問「総合問題」 (20点)
身のまわりに使われている化学物質に関する問題が出題された。問1は、クロムの化合物やケイ素の化合物に関する知識問題であった。問2は、見慣れない高分子材料であるポリイミドの構造や反応を考える問題で、問2aでは、反応の前後の化合物の構造式から反応のしくみを推定する必要があった。問3bは、エステルの合成反応における平衡定数を求める典型的な問題で、基本的な理解が求められた。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
| 年度 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 45.34 | 54.77 | 54.01 | 47.63 | 57.59 |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション