問題講評 情報I
知識をもとに深い思考力が求められる問題が多く、論理演算による画像の合成処理などについて問われた。昨年より難化
出題形式は昨年に引き続き大問4問、学習指導要領の4領域を網羅する問題構成であった。解答欄がfまで増えたことにより出題されやすくなると考えられた16進法による数値表現や、共通テスト試作問題(検討用イメージ)で公開された画像の処理にビット演算を組み合わせた出題が特徴的。記憶装置の使い分け、メール送受信の仕組みとメールアドレスの構成など、実際に社会で使われている情報技術の基本的な知識を前提とした問題もみられた。第3問のゲーム体験の待ち時間についてのシミュレーションに関する「プログラミング」、第4問の桜の開花日に関する「データの活用」の出題については、昨年と同様の出題傾向であった。易しかった昨年にくらべて、深い思考や時間を要する出題があり、昨年より難化。
1.全体概況
| 大問数・解答数 | 昨年と同じ4大問構成で全問必答。解答数は合計で56。内訳は、第1問が11、第2問Aが9、第2問Bが8、第3問が15、第4問が13。 |
|---|---|
| 出題形式 | 第1問は小問4問からなる小問集合。第2問はAとBの中問構成。全体を通して昨年の形式と同じだった。各大問の配点も変わらず。 |
| 問題量 | ページ数は34ページ(下書き用紙を除く)。昨年より2ページ増。 |
| 難易 | 昨年より難化。 |
2.大問別分析
第1問「小問集合」 (20点)
小問集合であり、問1は記憶装置と情報セキュリティについての知識、問2は2進法と16進法の変換について問われ、問3はスクロール操作の設定についてデータをもとに判断を行うことが必要な出題であった。問4は電子メールの仕組みについての知識が問われた。問1と問4は基本的な知識をもとに解くことができる一方、問2では状況を把握した上で2進法と16進法のやり取りを素早く行う必要があり、ここで時間を要した受験生も多かったと思われる。
第2問「領域融合」 (30点)
Aでは、役所、請求者および提出先が住民情報を安全に交換するためのシステムを改良する問題が出された。各操作・要求で送られる情報の役割を理解したうえで丁寧に順番を追う必要がある。文書を正しく読み、やりとりする情報の流れが理解できれば解ける問題である。Bでは、背景の画像とキャラクターの画像をビット演算で合成する問題が出された。画素に着目し、画像の各点における重なりを判断するという内容は、受験生にとってはなじみが薄かったと思われる。画像から、二値化された画像を生成するための、画像編集ソフトウェアで表した各階調の画素数をヒストグラムで表した場合の考え方など、ソフトウェアでの編集作業を経験しているとイメージがつきやすかったと思われる。
第3問「プログラミング」 (25点)
文化祭で来訪者が体験できるゲーム作品において、体験時間による来訪者の待ち時間の変化をシミュレーションしたり、待ち時間が10分未満となる体験時間を調べるプログラムを作成したりする過程が問われた。問1は図表から来訪者の待ち時間を考える内容であった。問2は2人目以降の来訪者の待ち時間を求めるプログラムを作成する内容であった。問3は来訪者の待ち時間が10分間未満になる体験時間を調べるために、プログラムを改善する内容であった。プログラムの行数は10行と14行で、配列の添字は1から始まっており、プログラム自体の複雑さは中程度であった。
第4問「データの活用」 (25点)
桜の開花日の推定方法を題材として、オープンデータの収集から前処理、仮説検証に至る問題解決のプロセスを忠実にたどる問題構成であった。散布図や箱ひげ図の読解、欠損値の処理に加え、回帰分析での予測値補正といった実践的な内容が含まれていた。データの加工・分析の手順を正確に読み解く力が求められ、「データの活用」の分野の学習を丁寧に進めた受験生には取り組みやすい問題であったと思われる。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
| 年度 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 69.26 | - | - | - | - |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション