問題講評 英語【リスニング】
第5問は試作問題と同形式の出題。第6問Bでは話者が三人に減少。昨年より難化
昨年に続き、音声情報とイラストや図表などの視覚情報を組み合わせて答える問題が出題され、場面に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われた。第5問では試作問題(令和4年度 大学入試センター公表)と同形式の問題が出題され、より情報を統合的に処理する力が求められた。講義全体を理解する必要がある問題や、放送文からの言い換えに注意が必要な一部難しい問題もみられ、昨年より難化。
1.全体概況
大問数・解答数 | 大問数6、解答数37個は昨年から変更なし。 |
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出題形式 | 昨年同様、全体を通して場面や目的に応じた聞き取りを要する実践的な英語力が問われた。講義内容と学生の発言内容の一致を確認したり、講義後の学生の会話とグラフの内容を整理したりするなど、より情報を統合的に処理する力を求める設問が出題された。音声が流れる回数は昨年通り。一部の問題で多様な話者による音声も含まれた。第6問Bでは、話者が四人から三人に減少した。 |
出題分野 | 日常的な発話、説明文、複数の話者による会話など、多岐にわたるジャンル・形式の出題。概要の把握から複数情報の整理・比較・判断まで多面的な資質・能力が求められた。 |
問題量 | 昨年並。 |
難易 | 昨年より難化。 |
2.大問別分析
第1問「短発話・英文/イラスト選択」 (28点・標準)
A・Bともに身の回りの事柄に関する短い発話を聞き、Aでは最も近い意味を示す英文を選ぶ問題、Bでは発話内容に対応するイラストを選ぶ問題が出題された。発話の概要や要点を把握する力が求められた。音声が流れる回数はA・Bとも2回であった。Bでは設問数が3問から4問に増加した。
第2問「短い会話・イラスト選択」 (12点・標準)
身の回りの事柄に関する短い会話とそれについての問いを聞き、日本語で書かれた場面の情報をもとに、対応するイラストや図を選ぶ問題が出題された。聞き取る情報が限られている、標準的な問題であった。音声が流れる回数は2回であった。設問数は4問から3問に減少した。
第3問「短い会話・Q&A選択」 (18点・やや難)
身の回りの事柄に関する短い会話を聞き、日本語で書かれた場面の情報を参考にしながら概要や要点を把握し、問いの答えとして適切なものを選ぶ問題が出題された。聞き取った複数の要素から選択肢を総合的に判断する必要があった。音声が流れる回数は1回であった。
第4問「モノローグ・図表/条件選択」 (12点・標準)
Aの問18~21では、朝食の変化に関する折れ線グラフから対応する食べ物を選ぶ問題が出題された。問22~25では、旅行先の天気予報を聞き、表の中の空欄を埋める問題が出題された。Bでは、サーフィンをする場所に関する四人のサーファーの話を聞き、与えられた3つの条件に最も合う候補を選ぶ問題が出題された。複数の情報を整理し、組み合わせて判断することが求められた。音声が流れる回数はA・Bとも1回であった。
第5問「講義・ワークシート完成」 (16点・難)
贈答文化についての講義を聞き、昨年と同様にワークシートを完成させる問題が出題された。また、試作問題同様に、講義内容と学生の発言内容の一致を確認したり、講義後の学生の会話とグラフの内容を整理したりするなど、より情報を統合的に処理する力を求める設問が出題された。音声が流れる回数は1回であった。
第6問「会話文・Q&A/内容把握」 (14点・標準)
Aでは、食事の際の咀嚼回数が健康に及ぼす影響についての二人の会話を聞き、それぞれの話者の主張や結論を選ぶ問題が出題された。Bでは、野生の鳥についての学生たちの会話を聞いて、人間は鳥にえさを与えるべきではないと考える人の数を答えたり、ある話者の考えの根拠となる図表を選んだりする問題が出題された。音声が流れる回数はA・Bとも1回であった。Bでは、話者が昨年までの四人から三人に減少した。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
年度 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 |
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平均点 | 67.24 | 62.35 | 59.45 | 56.16 | 28.78 |
データネット実行委員会 駿台予備学校/ベネッセコーポレーション