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問題講評 英語【リーディング】

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大問数は8で、うち2題は試作問題と同様の新形式問題であった。昨年より易化

昨年同様、日常的な文章から説明文まで様々なものが扱われた。試作問題(令和4年度 大学入試センター公表)と同形式の問題を含む、8大問構成。与えられたテーマについて、提示された立場のエッセイを作成するために複数の資料を読んで論拠を整理したり、文章の論理構成に配慮して訂正したりする問題が新たに出題された。素材文語数が大きく減少し、該当箇所を特定する際の複雑さが減少した一方で、まぎらわしい選択肢や、推論を要する設問が例年同様に含まれていた。昨年より易化。

1.全体概況

大問数・解答数 昨年と比べて大問数は6から8に増加し、昨年49個であった解答数は44個に減少した。
出題形式 昨年と同様、全大問が読解形式であり、題材は日常的な文章から説明文まで様々なものが扱われた。設問では、新たに与えられたテーマについて、提示された立場のエッセイを作成するために複数の資料を読んで論拠を整理したり、文章の論理構成に配慮して訂正したりする問題が加わった。
出題分野 実際のコミュニケーションの場面を意識した、多岐にわたるジャンル・形式の出題。概要の把握から複数情報の整理・比較・判断まで多面的な資質・能力が求められた。
問題量 素材文語数は、昨年から約700語減少(約4900語→約4200語)。
難易 昨年より易化。

2.大問別分析

第1問「情報・意図の読み取り」 (6点・標準) 

「初心者用の家庭用の水槽」についてのパンフレットを読む問題が出題され、基本的な読解力が問われた。昨年まではA・Bの二つの素材による出題であったが、例年出題されていたBのタイプの出題のみになり、問題数も減少した。

第2問「概要・要点の把握、情報整理」 (12点・やや易) 

「空飛ぶクルマ」に関する専門家の意見をまとめたブログを読み、述べられた意見を整理する問題が出題された。第1問と同様に、昨年まではA・Bの二つの素材による出題であったが、例年出題されていたBのタイプの出題のみになり、問題数も減少した。

第3問「短い文章の概要把握」 (9点・やや易) 

「コンテストに応募したバンド」についての物語が取り上げられ、出来事の順番や登場人物の気持ちの理解を問う設問が出題された。第1問と同様に、昨年まではA・Bの二つの素材による出題であったが、例年出題されていたBのタイプの出題のみになり、問題数も減少した。

第4問「文章の論理展開把握・推敲」 (12点・標準)  

「スローライフの勧め」をテーマに、自分が書いた原稿に対する教師のコメントを踏まえて、文章の論理の構成や展開に留意して推敲し、適切に訂正する力が問われた。

第5問「複数素材からの情報読み取り」 (16点・やや易)

「ローカルビジネスに関する会議」について、とりまとめをする学生と教授のメールのやり取りを読み、メールに添付された表から必要な内容を読み取ったり、メール文で述べられている内容を適切に表す図を選んだりする問題が出題された。また、メールの内容から推論して答える必要のある問題も出題された。

第6問「概要把握、要点整理」 (12点・やや難)  

「超能力を持つ少年が成長する様子を描いた物語」を読んで、それに対する感想メモを完成させる問題であった。少年の成長を時系列に並べる問題が出題されたが、回想シーンとして過去の話が後半に出てくるので話の展開がわかりにくかった。また、主人公がTV番組の役者であったことも概要把握を難しくした。

第7問「概要・要点・論旨の把握」 (16点・やや難)

「動物の睡眠のパターン」に関する記事を読んで、口頭発表するための要点をまとめさせる問題であった。難解な科学用語が多く含まれている文章から、その記述を忠実に追って解答する設問が複数出題された。

第8問「論点整理・アウトライン作成」 (17点・標準) 

「宇宙開発の是非」に関する5人の意見を読んだうえで、自分の主張を展開する問題であった。3つのステップに沿って、「複数の人の意見を読んで、それぞれの論点を理解する」→「提示された立場に合う意見が誰のものか、その意見に共通する論点は何かを整理する」→「複数の資料から、その立場に合う理由や根拠を判断する」というエッセイのアウトラインを組み立てるスタイルで、複数の情報をもとに整理・判断する力が問われた。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度 2024 2023 2022 2021 2020
平均点 51.54 53.81 61.80 58.80 116.31

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