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問題講評【地学基礎】

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― 軽石の漂流のようすから海流の速さの違いを考える問題が出題された。難易は昨年並 ―

第2問では、台風が接近した際の天気図を日付順に並べる問題が出題された。第4問では、海底火山から噴出した軽石の漂流のようすから、二つの海流の速さの違いを考える問題が出題された。基本的な知識、時間的・空間的関係の理解、思考力・判断力を問う幅広い問題が出題された。難易は昨年並。

1.全体概況

【大問数・解答数】 大問数4、解答数15個は、昨年から変更なし。
【出題形式】 語句選択問題を中心に出題された。
【出題分野】 昨年と同様、特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。
【問題量】 昨年並。
【難易】 昨年並。

2.大問別分析

第1問「地球の構造と地震、火成岩や鉱物、生物進化と地球環境の変化」 (20点・標準) 

Aの問1はプレートについての知識問題、問2は緊急地震速報とS波の到達に関する計算問題であった。Bは火成岩や鉱物、貫入した火成岩に関する知識問題であり、正確な知識が問われた。貫入岩体の名称が問われるのは珍しい。Cは地球の歴史に関する問題であり、先カンブリア時代から古生代についての基本的な知識が問われた。

第2問「台風、海洋」 (10点・やや易) 

Aは台風に関する問題であった。問1は天気図を使った日本付近における台風の進路を問う問題で、普段の台風の進路を知っていれば解答は容易であった。問2は台風が日本に接近した際に発生する現象についての問題で、台風の進行方向の右側の方が風が強いことを知っている必要があった。Bは海洋の熱収支に関係する熱の種類と電磁波の種類を問う問題であった。潜熱と顕熱の違い、地球から放射される電磁波の種類がわかっているかが問われた。

第3問「太陽系の天体と恒星、宇宙の構造」 (10点・標準) 

Aの問1は太陽系の形成過程に関する知識問題であり、問2は太陽の進化段階における水素の核融合反応の有無に関する知識問題であった。Bは宇宙の構造に関して図から考察する問題であったが、さまざまな天体の空間分布を理解している必要があり、戸惑った受験生もいたかもしれない。

第4問「火山の噴火による災害と海流」 (10点・やや易) 

問1は活火山の定義、火山噴火の仕方とマグマの成分、火砕流についての知識問題であった。問2は火山灰の構成粒子からその起源を推測する問題で、火山灰層の厚さの違いの要因についても問われた。問3は北太平洋の亜熱帯の環流と海底火山から噴出した軽石の漂流するようすから、海流の平均的な速さを求める問題であった。計算問題としては難しくない。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度 2023 2022 2021 2020 2019
平均点 35.03 35.47 33.52 27.03 29.62

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