問題講評 地学
基本的な問題もみられたが、幅広い分野で知識が細部まで問われた問題が多く、難易は昨年並
第1問では地球・宇宙の過去や未来を実際に観察するという仮定のもとに、昨年と同様に分野横断形式で出題された。第3問では鉱床と人類の進化について問われた。正確な読図や計算が必要な問題や、細かい知識が問われた問題もあり、出題テーマが多岐に渡り深い知識と理解が必要であった。難易は昨年並。
1.全体概況
| 大問数・解答数 | 大問数5は、昨年から変更なし。昨年27個であった解答数は28個に増加した。 |
|---|---|
| 出題形式 | 語句選択問題を中心に出題された。 |
| 問題量 | 昨年並。 |
| 難易 | 昨年並。 |
2.大問別分析
第1問「タイムマシンを用いた時空旅行の会話文をもとにした分野横断形式の問題」 (18点)
タイムマシンで地球・宇宙の過去や未来を観察できたと仮定した会話文を題材とする分野横断形式の問題であった。細かな知識、図中で設定された物理量の的確な読み取り、読解力や判断力など、総合的な力が求められた。問1では現在と比べた白亜紀の二酸化炭素濃度が問われ、過去の大気組成の変遷を理解しておく必要があった。問2はデイサイト中の鉱物と放射性年代の測定法についての知識、問3はアイソスタシーを用いて最終氷期の氷床の厚さを求める式が問われた。問4は超新星に関する知識、問5は現在の地球が逆向きに自転していると仮定した場合、南北両半球における風と環流の向きを問う問題であった。
第2問「測量、長周期地震動、プレート運動」 (15点)
測量に関する知識や理解、地震波の性質や影響、ホットスポットを題材としたプレートの移動と地磁気に関する出題であり、いずれも思考力が問われる問題であった。問1は測量について長期間にわたる変動、位置情報を特定する仕組みについての知識や深い理解が必要であった。問2は地震波の種類による性質と長周期地震動についての問題であり、知識を活用する力が問われた。問3はプレートの移動方向と距離についての基本的な知識が問われた。問4は各海山の残留磁気の伏角を判断する問題で、表や図から得た情報を整理する力が問われた。
第3問「鉱床の成因とマグマの発生、地質調査、火山、人類の進化」 (28点)
Aでは鉱床とマグマの発生について問われた。正マグマ鉱床については、細かい知識が問われており、十分な学習を要する問題であった。問2はマグマの発生について、鉱物の安定領域と沈み込み帯の図を関連づけて、基本的な知識をもとに具体的に考える、共通テストらしい問題であった。Bの地質図の問題は、走向傾斜の読み取りも堆積構造も基本的な問題であった。Cは造岩鉱物と噴火の様式について問われた。Dは人類の進化について日本列島の歴史にも関連して問われた。これらのうち、Cの問5の輝石と角閃石の劈開が交わる角度に関する問い、またDの問7の人類進化に関する問いは、正確な知識が必要であった。
第4問「大気、海流と海面高度」 (21点)
Aは大気に関しての幅広い内容からの問題であり、基本的な知識問題から、日常的な大気現象のしくみについての深い考察を要する問題まで出題された。問2はフローチャートを用いている点が目新しい。問3は熱帯低気圧の中心付近の風の流れに関する出題であったが、北半球の対流圏下層の問題と勘違いした受験生がいたかもしれない。Bは海流と海面高度に関する問題であり、基本的な問題が出題された。問5は黒潮に関する問いで、固体地球分野の知識も必要とする分野融合的な問題であった。
第5問「宇宙」 (18点)
Aはセイファート銀河の特徴と赤外線観測について問われた。問2は星間塵に関連した、かんらん石の成分と太陽大気の組成についての問題であり、他分野の知識の活用とグラフの読み取りを要した。問3は星間塵による光の吸収に関する問題で、星の明るさを示す等級についての深い理解と計算力が求められ、戸惑った受験生も多いのではないかと思われる。BはHR図と恒星の誕生・進化に関する出題であった。問4は2つの恒星の寿命の比を質量と絶対等級から計算する問題であり、正確なグラフの値の読み取りと計算力が問われた。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
| 年度 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平均点 | 41.64 | 56.62 | 49.85 | 52.72 | 46.65 |
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