問題講評【英語・リーディング】
― 全大問で読解型の新形式に変わり、様々な題材が場面や状況に応じて取り上げられた ―
すべて読解問題となり、題材は日常的なものから意見文や叙述文まで様々な内容が扱われた。設問では意見と事実の区別を問うものやプレゼンテーションのスライドを完成させるもの、解答として当てはまるものを二つ選ぶもの等が出題された。読解量が大幅に増加し、多面的に情報を処理することが求められたものの、難易は昨年センター試験並であった。
1.全体概況
【大問数・解答数】 | 配点が昨年のセンター試験の200点から100点となった。大問数6は、昨年のセンター試験から変更はなかったものの、昨年54個だった解答数は47個に減少した。 |
---|---|
【出題形式】 | 発音・アクセントや文法・語彙の問題はなくなり、全大問において読解型の新形式となった。 |
【出題分野】 | 実際のコミュニケーションの場面を意識した、多岐にわたるジャンル・形式の出題。概要の把握から複数情報の整理・比較・判断まで多面的な資質・能力が求められた。複数の大問で、イギリス英語による出題がなされた。 |
【問題量】 | 素材文語数は、昨年のセンター試験から約1400語増加(約2800語→約4200語)。 |
【難易】 | 昨年センター試験並。 |
2.大問別分析
第1問「情報・意図の読み取り」 (10点・解答数5)
Aでは「忘れ物」に関するスマホ上のメッセージのやりとりを取り上げ、日常生活に関連した英語素材を通して基本的な読解力が問われた。Bでは「ミュージシャンのファンクラブへの加入」に関するウェブ上の記事から、速く正確に、必要としている情報を読み取る問題が出題された。
第2問「概要・要点の把握、情報整理」 (20点・解答数10)
Aでは「英国の学校でのバンドコンテスト」に関する審査員3名の評価を取り上げ、書かれている情報から各バンドのパフォーマンスに関する審査結果を比較したり、事実と意見を区別して内容に合う記述を選んだりする問題が出題された。Bでは「クラブ活動の時間短縮の是非」に関するオンライン・フォーラム上のやりとりを読んで、概要や要点を把握したり、それぞれの主張を事実に即して整理したりする問題が出題された。
第3問「短い文章の概要把握」 (15点・解答数8)
Aでは「英国旅行における空港からホテルへの交通手段」に関するウェブ上の質問と、それに対する回答を取り上げ、書かれている内容とともに図表の情報も踏まえて解答する問題が出題された。Bでは「異文化交流センターを維持するための募金」に関する記事を読んで、出来事の順番や話の細部までを把握する問題が出題された。
第4問「複数素材からの情報読み取り」 (16点・解答数6)
「姉妹校の生徒をもてなすスケジュール」に関してやりとりしたEメールが二つ取り上げられ、一方には図表が添えられた。二つのEメールの内容と図表の情報を整理して解答する問題、それらをもとに最適なスケジュールを考える問題などが出題された。
第5問「概要把握、要点整理」 (15点・解答数9)
「Astonという名前の牛と飼い主のSabine」を軸としたストーリーの情報を参考に、 彼らに関する出来事を時系列に並べるなど、プレゼンテーション用のスライドを完成させる問題が出題された。
第6問「概要・要点・論旨の把握」 (24点・解答数9)
Aでは「アイスホッケーの安全性」に関する記事を読んでポスターを作り、それを使ってクラスで発表する設定で、そのポスターに載せる項目を選ぶ問題が出題された。また、文章全体の展開や複数の文の論理関係を考えたり、内容を要約したりする問題が出題された。Bでは「天然・人工の甘味料」に関する文章が取り上げられた。文章全体の内容に合った選択肢を二つ選ぶ問題や筆者の主張・立場に最適な選択肢を選ぶ問題などが出題された。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
年度 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 |
---|---|---|---|---|---|
平均点 | 116.31 | 123.30 | 123.75 | 123.73 | 112.43 |
データネット実行委員会 ベネッセコーポレーション/駿台予備学校