データネット2020 2020年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評要約

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国語

― 全体的に文章量が減少、漢文でイラストを選択する設問が出題された。難易は昨年並 ―

全体的に本文の分量が減少し、設問数・解答数も減少した。漢文は詩単独での出題だった。評論では、本文の趣旨に関する対話形式の設問が、漢文では五言詩に描かれた情景についてイラストを選ぶ設問が出題。昨年同様、各大問とも文章全体の趣旨や主題を把握する力が求められた。難易は昨年並。

数学I・A

― 「場合の数と確率」で異なる事象の確率を考える問題が出題された。昨年より難化 ―

大問数、配点は昨年と同様。問題量、計算量も昨年並であるが、目新しい問題が多く出題された。「数と式」では1次関数のグラフの傾きや切片について考察する問題、「場合の数と確率」では4つの異なる事象の確率を考える問題、「整数の性質」では循環小数とn進法に関する融合問題がそれぞれ出題された。難易は昨年より難化。第1問〔1〕〔2〕〔3〕、第2問〔2〕は数学Iと一部共通であった。

数学I

― 基本的な内容が問われているが、一部で目新しい出題がみられた。昨年よりやや難化 ―

全体の問題量や計算量は昨年同様であったが、第2問が中問形式で出題された。数値を答えさせるのではなく、正しい記述や数値の組合せを選択させる新しい問い方が出題された。全体的に基本的な内容が問われているが、昨年よりやや難化した。第1問、第2問〔2〕、第4問は数学I・Aと一部共通であった。

数学II・B

― 「指数・対数関数」と「図形と方程式」の融合問題が出題された。昨年よりやや難化 ―

大問数、配点は昨年と同様。問題量、計算量も昨年並。「指数・対数関数」では「図形と方程式」との融合問題が出題され、数学IIの全分野から幅広く出題された。また、「ベクトル」では四角形の形状を判断する問題が出題された。難易は昨年よりやや難化。

数学II

― 昨年と同様の大問構成で、各分野の理解と応用力が問われた。難易は昨年並 ―

大問数・問題量ともに昨年並であり、全体を通して標準的な問題が多かった。複数の大問において中問ごとに独立した問題が出題され、幅広い理解が問われた。いずれの問題も丁寧な誘導が多く、複雑な計算は少なかった。難易は昨年並。

英語(筆記)

― 出題形式は変更なし。第4問Aでは図をもとにした計算問題が出題。昨年よりやや難化 ―

例年通り、前半では発音・アクセントや語彙・文法の知識が問われ、後半では図表を含む説明文、物語や論説文など、多岐にわたる素材を読み解く力が求められた。文法・語法などの基本的な知識とともに、英文全体から素早く内容を把握する力が求められた。例年よりも取り組みづらい問題が増え、全体としてやや難化した。

英語(リスニング)

― 日常の場面における実践的な英語力が問われた。昨年よりやや難化 ―

昨年に続き、音声情報と視覚情報を組み合わせて答える問題が出題された。場面に応じた聞き取りが必要とされ、実践的な英語力が問われた。情報の類推や口語的な応答表現を問う問題を中心に取り組みづらい出題がみられ、第3・4問では解答時間が短くなった。

世界史B

― 欧米史が減少、周辺地域史と文化史が増加。古代史・戦後史が増加。難易は昨年並 ―

大問構成や解答数は変更なし。地域網羅性は継続した。地図問題は1問減少して1問となった。昨年同様、グラフの読み取りを必要とする問題も出題されたが、基本的な内容が中心で難易は昨年並。

日本史B

― 図版など多様な史資料を活用し考察する力が求められた。難易は昨年並 ―

大問数、解答数に変更はなかった。文章史料に加え、昨年みられなかった図版や写真などの多様な資料が用いられ、史資料の読解力が重視された。文化史の出題は増加し、現代史は1問に減少した。基本的な内容が中心であり、難易は昨年並。

地理B

― 多様な資料を用いて図表読解力と地理的考察力が問われた。昨年よりやや易化 ―

多様な図表が用いられ、限られた時間の中で正確に図表を読解する力と地理的な見方・考え方が求められた。特に第6問では、GISを用いて作成された図が素材として扱われるなど、多様な資料が提示された。一部資料の読み取りに時間を要する問題がみられたものの、原理・原則の理解を問う出題が中心で、難易は昨年よりやや易化。

現代社会

― 現代の諸課題からの出題が増加。本文の趣旨を問う問題が復活した。難易は昨年並 ―

現代の諸課題からの出題が増加しており、各分野からバランスよく出題されていた。昨年は出題されなかった本文の趣旨を問う問題が出題された。時事的な事項や思想分野において詳しい内容が問われ、多様な知識・理解が求められた。難易は昨年並。

倫理

― クワインやノージックなどの現代の新しい思想が扱われた。難易は昨年並 ―

大問構成や出題分野は変更なし。形式に大きな変化はないが、AIなど今日の社会が直面している問題が取り上げられた。クワインやノージックなどの現代の新しい思想が扱われた。難易は昨年並。

政治・経済

― 基礎的かつ重要な事項が出題され、国際政治分野の出題は減少。難易は昨年並 ―

例年通り、4大問中3大問の一部の設問は「倫理、政治・経済」との共通問題であった。教科書に基づいた基礎的な知識を中心に問われた一方で、やや細かい知識を問う問題や、過去の問題と同様の問題も出題された。国際政治分野の出題が減少したが、難易は昨年並。

倫理、政治・経済

― 「AIと人間の仕事」「企業の資金調達」が資料読解を通して扱われた。難易は昨年並 ―

すべての設問が単独科目「倫理」および「政治・経済」と共通であった。倫理分野では文献資料の読解や思想の正確な知識理解が問われ、政治・経済分野ではグラフの読解や理論を具体化するなどの考察力が問われた。両分野とも基本知識を問う出題が多くを占めた。難易は昨年並。

物理基礎

― 物理基礎では定性的に扱われている斜方投射が定量的に出題された。難易は昨年並 ―

典型的な素材を中心に、物理基礎の内容から幅広く問われた。物理基礎では定性的に扱われている斜方投射が定量的に出題されており、問題文に各方向の運動と初速度を与えている点は目新しい。電力輸送の問題は日常を意識した出題であった。難易は昨年並。

化学基礎

― 教科書に沿った基本問題が多いが計算問題は応用力が求められ、昨年よりやや難化 ―

全体的には教科書に沿った基本的な問題が多く出題された。実験操作や生活に関わる物質についての問題が昨年に引き続きみられた。物質量やモル濃度に関する計算問題は、問題文の正確な読み取りと応用力を求める内容であった。昨年よりやや難化。

生物基礎

― 会話文形式や、グラフの読解を求める出題がみられた。昨年よりやや易化 ―

全体として、基本的な知識を問う問題が多く出題された。一方で、基本的な知識を用いて思考する必要のある問題が各大問で出題されており、論理的な思考力や与えられたグラフを読み解く力を問う出題もみられた。昨年よりやや易化。

地学基礎

― 図が多用され、ハザードマップや降灰分布予測図が出題された。昨年よりやや難化 ―

昨年は出題がなかった自然災害に関する問題が第4問として出題された。また、昨年に引き続き図に関連した設問が半数以上を占めた。風向・風力を表す矢羽やハザードマップは現行課程で初めての出題であった。昨年よりやや難化。

物理

― 円筒形の導体に誘電体をはさんだコンデンサーの設定が目新しい。昨年よりやや易化 ―

選択問題の原子では、ニホニウムの生成の核反応式が取り上げられた。円筒形の導体を加工し誘電体をはさんだコンデンサーの設定が目新しく、平行板コンデンサーの等価回路として考えさせる出題があった。部分点を与える設問が復活し、昨年よりやや易化。

化学

― 実験を題材にした問題が多く、読解力と思考力が求められた。難易は昨年並 ―

計算問題の数は、昨年とほぼ同程度。実験を題材にした問題文を正確に読み取ったうえで、操作の理解と結果を考察する力が求められた。また、中和滴定の指示薬やニッケル水素電池の充電を題材にした目新しい問題も出題された。難易は昨年並。 

生物

― 例年同様、論理的思考力が必要な考察問題が多く出題された。昨年よりやや難化 ―

例年同様に幅広い分野からの出題で、全大問でグラフや図表などを読み取り考察する、思考力を要する問題が出題された。変異体の表現型から変異の原因となった遺伝子を考える問題や条件の異なるデータを比較分析する問題が、複数出題された。昨年よりやや難化。

地学

― 高層天気図の時間変化など、図やグラフに関する問題が増加。昨年よりやや難化 ―

単純に語句のみを問う問題が減少し、正文や図を選択する問題が増加した。マグマの移動に伴う重力変化、海洋プレートと大陸プレートとの間での地震波の屈折、高層天気図の時間変化といった目新しい題材が多く扱われた。昨年よりやや難化。

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