データネット2019 2019年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評要約

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国語

― オーソドックスな出題で、文章全体を把握する力が求められた。昨年より易化 ―

全体としての本文の分量は、ほぼ昨年並。評論で昨年同様、本文に関する対話形式の設問が出題。各大問ともオーソドックスな出題で、文章全体の趣旨や主題を把握する力が求められた。全体的に本文が読みやすく、昨年より易化。

数学I・A

― 第5問で「図形と計量」と「図形の性質」の融合問題が出題された。難易は昨年並 ―

大問数、配点は昨年と同様で、問題量、計算量も昨年並。「データの分析」では例年通り実際のデータを素材とした問題が出題された。また、第5問「図形の性質」では、数学I「図形と計量」の分野の知識を利用する問題が出題された。全体の難易は昨年並。

数学I

― 典型的な問題が多く、取り組みやすい問題構成であった。昨年よりやや易化 ―

全体の問題量や計算量は昨年同様で、必答問題も例年同様、第1問から第4問であった。ただし、「データの分析」では小問数が増加した。いずれの分野も基本的な内容が問われていたため、難易は昨年よりやや易化した。第1問〔1〕、第2問、第4問は数学I・Aと一部共通、第1問〔2〕は数学I・Aと共通問題であった。

数学II・B

― 解答数が昨年よりも増加し、配点が細かく刻まれた。難易は昨年並 ―

大問数、配点は昨年と同様。問題量、計算量は昨年並だが、解答数が昨年よりも増加し、第2問や第4問では配点1の設問が多く見られた。また、第4問「ベクトル」では空間ベクトルの問題が出題され、図形の形状を正しく把握する力が求められた。全体の難易は昨年並。

数学II

― 計算量は少なく、各分野の基本的な知識や公式が幅広く問われた。昨年よりやや易化 ―

大問数・配点は、昨年と同様で、問題量も昨年並であったが、計算量は昨年より少ない。一方で、第2問の微分法・積分法が中問形式ではなく例年通り1大問の形式に戻った。いずれの問題も丁寧な誘導が多く、複雑な計算も少なかった。難易は昨年よりやや易化。

英語(筆記)

― 出題形式に大きな変更なし。素材文の総語数はやや減少。難易は昨年並 ―

表を含む説明文や物語、論説など、様々な素材を読解する力が求められた。全体の概要を問う出題は変わらず、学習指導要領で重視される英文の内容を素早く大づかみする力とともに、細部を正確に読む力も求められた。

英語(リスニング)

― 出題形式に大きな変更はなく、音声+視覚情報で答える問題が出題。昨年より易化 ―

音声情報とイラストや図表を含む視覚情報とを組み合わせて答える問題や、3人の話者による話し合いの場面での出題がなされた。聞き取った内容を、設問に応じて処理する力が、昨年に引き続き求められた。また、細かい情報の聞き取り、直接述べられていない情報の類推なども求められた。ただし全体的には取り組みやすく、難しかった昨年より易化。

世界史B

― 地図やグラフ問題で昨年より資料読解力が問われた。昨年よりやや難化 ―

大問構成や解答数は変更なし。地域網羅性は継続された。4択の文章選択問題は減少し、昨年出題されなかった6択の年代整序問題が1問出題され、地図問題は1問増加して2問となった。基本的な内容が中心であるが、正確な理解と地図やグラフの読解力が求められ、昨年よりやや難化。

日本史B

― 史料は扱われたが図版はなく「地名の由来」や「年号」の観点で出題。難易は昨年並 ―

大問数、解答数に変更はなかった。史料読解力は引き続き重視されたが、写真や図版は見られず文字情報の読解に絞られた。主題学習に配慮されており、「地名の由来」や「年号(元号)」「日米関係」などの生活に身近なテーマも見られた。全体的な難易は昨年並。

地理B

― 多様な資料が用いられ、地理的思考力や正確な知識が問われた。難易は昨年より難化 ―

多様な図表が数多く用いられ、限られた時間の中で正確に図表を読解する力と地理的な見方・考え方が求められた。第2問では大問全体でコーヒーを題材に展開され、関連する事項の基本的な知識や地理的思考力が要求された。正確な知識を問う問題がみられ、難易は昨年より難化。

現代社会

― 国内外の政治・経済や社会の動向をふまえ幅広く正確な知識・理解が問われた。難易は昨年並 ―

経済分野が減少し、政治分野・国際経済分野の出題が増加した。趣旨を問う出題、写真を使用した出題がなくなり、オーソドックスな出題形式で、時事的な理解を含め、学習した内容が確実に身についているかが問われた。全体として、基本的・標準的な知識が求められており、難易は昨年並。

倫理

― 組合せ問題が減少したが、やや細かな知識を問う問題が増加した。昨年より難化 ―

大問構成や出題分野は変更なく、リード文をしっかり読んで解答する形式も引き続きみられた。現代思想では構造主義やロールズの思想が問われた。組合せ問題が減少したが、やや応用的な知識や理解が多く問われた。昨年より難化。

政治・経済

― すべての分野から基礎的な事項が網羅的に出題された。難易は昨年並 ―

例年通り、4大問中3大問の一部の設問は「倫理、政治・経済」との共通問題であった。基礎的な理解を幅広く問う出題の中では、年代整序問題や資料を用いた問題などもみられた。全体的に教科書に基づいた基本事項の理解を中心に問われており、難易は昨年並。

倫理、政治・経済

― 倫理は正確な思想理解、政経は基本事項の知識とやや深い理解を要求。昨年より難化 ―

すべての設問が単独科目「倫理」および「政治・経済」と共通であった。倫理分野では昨年に続き統計資料が使用されず、文献資料の読解や、思想の正確な知識理解が問われた。政治・経済分野は基本事項の知識とやや深い理解が問われた。両分野とも基本知識を中心に細かい部分まで問う出題がみられたため、昨年より難化。

物理基礎

― 典型的な素材を中心に、より深く思考させる問題も出題された。難易は昨年並 ―

典型的な素材を中心に、物理基礎の内容から幅広く問われた。原子と放射線に関する知識問題が目新しい。また、傾きが異なるすべり台をすべり落ちるときの小物体にはたらく垂直抗力や時間などの大小関係を問う、思考力を要求する問題もみられた。難易は昨年並。

化学基礎

― 実験操作や実験の安全などに関する出題がみられた。難易は昨年並 ―

実験操作や実験の安全、身近な物質の性質や利用に関する出題がみられた。計算の量は昨年と同程度だが、数値の選択だけではなく、文章選択問題の形式でも数値計算を必要とするものがみられた。難易は昨年並。

生物基礎

― 基本的な知識を用いた思考を要する問題が多く出題された。昨年より難化 ―

基本的な知識を用いた思考を要する問題が多くみられた。仮説を検証するために必要な実験を選択したり、初見のグラフの読み取りや、二つの実験を組み合わせて考察したりするなど、多様な出題がみられた。昨年より難化。

地学基礎

― 図を用いる問題で、これまで地学基礎でみられなかった出題が増加。昨年より難化 ―

6択の問題が2018年度の2問から5問へ増加。示準化石の産出状況を表す二つの模式図から地層を対比する問いなど、これまで地学基礎でみられなかった出題が増加した。自然災害や環境問題に関する設問が、地学基礎で初めてみられなかった。昨年より難化。

物理

― 光の屈折に関する探究活動的な問題が出題された。昨年よりやや難化 ―

選択問題が熱力学と原子になった。二人が透明な壁の両側に立っているときの光の経路を考え、与えられた情報を読み取って選択する、光の屈折に関する探究活動的な問題が出題された。部分点を与える問題がなくなり、配点5点の問題が増え、昨年よりやや難化。

化学

― 計算量が昨年より増加。思考力や応用力を要する問題が多く、昨年より難化 ―

昨年より計算問題が増加した。複数の思考プロセスを要する問題や、見慣れないグラフを読み取る問題など、目新しい問題が出題されており、題意の把握が難しく、思考力や応用力を要した。昨年より難化。

生物

― 例年同様、思考力を必要とする考察問題が多く出題された。難易は昨年並 ―

昨年同様、幅広い出題であったが、全大問で実験や図表などの情報を読解する必要のある問題がみられ、思考力が求められた。一方、数値選択問題が昨年の5問から3問に減少した。第7問で「生態と環境」と「生物の進化と系統」の内容が扱われた。難易は昨年並。

地学

― 5択以上の問題が増加。金星と火星の大気の鉛直構造が問われた。難易は昨年並 ―

5択以上の問題や図を用いた問題が増加した。基本的な知識問題もあるが、正確な知識にもとづいて論理的考察や計算を行う必要のある問題が多かった。金星や火星の大気の鉛直構造についての問題など、受験生にとって目新しい問題が多かった。難易は昨年並。

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