データネット2018 2018年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評要約

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国語

― 評論で図に関する対話の問い、古漢で対話形式の問題文が出題。難易は昨年並 ―

問題文の分量は全体として昨年と同程度。昨年同様、文章全体の展開や主題を把握する力が求められた。評論で図に関する対話形式での設問が、古文・漢文で問答・対話形式の文章が出題され、全体に「言語活動の充実」を意識した出題であった。難易は昨年並。

数学I・A

― 複数の大問で論証の根拠を考察する問題が出題された。難易は昨年並 ―

大問数、配点は昨年と同様。問題量は昨年よりやや減少。答えを求める根拠として記号や数学的性質を選択するような出題が複数あり、思考のプロセスを重視する傾向が見られた。難易は昨年並。

数学I

― やや複雑な計算処理や思考力を問う出題がみられ、全体の難易は昨年よりやや難化 ―

問題量や計算量は昨年から大きな変化はなく、例年と同様に第1問から第4問まですべて必答問題であった。各分野の基本事項の習熟度を測る出題であったが、一部でやや複雑な計算処理や思考力を要する出題がみられたため、難易は昨年よりやや難化。第1問〔1〕、第2問、第4問は数学I・Aと一部共通、第1問〔2〕は数学I・Aと共通問題であった。

数学II・B

― 1ラジアンの定義や微分と積分の関係を問う問題が出題された。難易は昨年並 ―

大問数、配点は昨年と同様。問題量、計算量は昨年並。全体を通して各分野の基本事項が出題され、第1問では1ラジアンの定義を問う問題が、第2問では微分と積分の関係が問われた。難易は昨年並。

数学II

― 現行課程で初めて第2問が中問形式で出題。基本事項が中心に問われ、全体の難易は昨年並 ―

大問数・配点は昨年と同様で、問題量・計算量も昨年並。現行課程で初めて第2問が中問形式で出題され、面積から関数を求める目新しい出題もみられた。全体的には誘導に従って解き進められる問題が多く、基本事項の理解が問われ、難易は昨年並。

英語
(筆記)

― 物語が日誌形式に。内容を大づかみする力が引き続き求められた。難易は昨年並 ―

SF風の物語が日誌形式で出題され、グラフや広告、論説など、素材や目的に応じた読み方が引き続き求められた。主題の特定など全体の概要を問う問題が出題され、現行課程で重視される英文の内容を素早く大づかみする力が、昨年同様求められた。

英語
(リスニング)

― 実践的な英語力に加え、音声と文字情報の同時処理が鍵。難易は昨年より難化 ―

音声情報とイラストを含む文字情報(地図)を組み合わせて答える問題や、討論の場面が出題されるなど、引き続き実践的な英語力が求められた。形式は昨年踏襲ながら、選択肢に工夫がなされた問題、複数情報の整理が必要な問題も多く、昨年より難化。

世界史B

― 文章選択問題が増え、地図などの資料問題は減少。地域網羅性は維持された。難易は昨年並 ―

地域網羅性は継続され、周辺地域からの出題も多くみられた。4択の文章選択問題が昨年から大幅に増加した一方で、年代整序問題はみられなかったほか、地図問題の出題は1問にとどまった。また、昨年までみられた日本史と関連させた問題はあまり出題されなかった。昨年同様グラフを読み取って判断する力も求められたが、オーソドックスな内容が中心で、難易は昨年並。大問構成や解答数は変更なし。

日本史B

― 史・資料読解の必然性が増し、思考力が求められた。難易は昨年並 ―

大問数、解答数に変更はなく、日本史Aとの共通大問は例年通り2大問出題された。所与の史・資料を読み取り解釈する力が引き続き重視された。また、第1問のテーマは2年連続で主題学習の「地域と歴史」だった。全体的な難易は昨年並。

地理B

― 身近な素材を含めた多彩な資料が用いられ、地理的考察力が問われた。昨年より易化 ―

限られた時間の中で多くの図表を正確に読解する力と、地理的な見方・考え方が求められた。スマートフォンやムーミンなど受験生に親しみやすいものが素材として扱われたほか、比較地誌がこれまでの2か国から3か国の比較となった。基本的事項を問う問題が多く、昨年より易化した。

現代
社会

― 現代の諸課題の出題が増加。今年も写真問題、趣旨問題が出題された。難易は昨年並 ―

大問内や設問内で各分野を融合的に問う問題がみられた。昨年に続き、写真を用いた問題やリード文の内容把握を問う問題が出題された。思考力を必要とする問題や時事的な知識を要求する出題もあったが、基本事項の知識を求める問題が中心であり、難易は昨年並。

倫理

― 組合せ問題の数や選択肢の文章量が減少し、標準的な問題が増加。昨年より易化 ―

大問構成や出題分野は変更なしだが、解答数が1個減少した。組合せ問題の数や選択肢の文章量が減少し、基本的知識が丁寧に問われた。現代思想ではセンやウィトゲンシュタインの思想が問われた。難易は昨年より易化。

政治・経済

― 戦後史の知識を用いる出題が目立ち、資料読解に時間を要したことから昨年より難化 ―

「倫理、政治・経済」との共通の設問が4大問中3大問で出題された。基礎的事項を問う出題の中で、知識に基づいて統計資料を読み取る出題もみられた。また、年代整序問題も出題され、教科書の基礎的事項についての深い理解が求められた。昨年より難化。

倫理、政治・経済

― 倫理は基本事項、政経は現代的課題への考察を要求。難易は昨年より易化 ―

すべての設問が単独科目「倫理」および「政治・経済」と共通であった。倫理分野では問題量が微減し基本事項の理解、政治・経済分野では基本事項の理解を中心に資料読解が問われた。正答を判断しやすい問題が増加し、全体的な難易は昨年より易化。

物理基礎

― データやグラフから思考させる問題が例年に比べて増加した。昨年よりやや易化 ―

典型的な素材を中心に、物理基礎の基本的事項の理解が問われた。与えられたデータから熱容量や金属線の抵抗値の大小関係を問う問題、一定の速度で動く台車から打ち出された小球の運動について思考させる問題がみられた。難易は昨年よりやや易化。

化学基礎

― 身近な物質を扱った問題や、知識の活用力を要する問題が出題された。難易は昨年並 ―

昨年に引き続き、身近な物質の性質や利用、文字式を選択する問題が出題された。計算問題では、解法によって解答の速さに差がついたと思われる。実験問題や正誤選択問題では、知識の活用が必要な問いが増えた。難易は昨年並。

生物基礎

― 昨年同様、基本的な知識とデータの理解を要する問題がみられた。昨年よりやや難化 ―

昨年と同様、基本的な知識を問う問題がほとんどで、調査結果を分析する出題もあった。一方で、昨年まで出題が続いた計算問題の出題はみられなかった。教科書で扱われている実験に関して、知識ではなく、その実験の意義が問われた。難易は昨年よりやや難化。

地学基礎

― 寺田寅彦の随筆から自然現象についての知識を問う出題があった。難易は昨年並 ―

大問数は2016年度までの3大問に戻った。図やグラフにもとづく考察問題も例年通り多く出題された。計算問題は1個で複数のステップを要し、手際よく計算することは難しかったであろう。随筆の記述と自然現象を対応させる問題が目新しい。難易は昨年並。

物理

― 選択問題に力学の万有引力が出題された。部分点のある問題が増加し、難易は昨年並 ―

選択問題は力学の万有引力と原子であった。複雑な計算を要する問題は少なく、思考力を要する問題が多かった。原子では、原子核の崩壊をモデル化した、さいころの模擬実験を題材に探究活動を意識した問題がみられた。部分点のある問題が増加し、難易は昨年並。

化学

― 見慣れないグラフで思考力が求められる出題もあったが、昨年より易化 ―

陰イオンの質量数、中和滴定など化学基礎の知識のみで解答できる問いがあった。六方最密構造や見慣れないグラフを取り上げた問い、メタノールを用いる燃料電池が出題された。解答数が減少し、標準的な難易の問題も多く出題された。昨年より易化。

生物

― 仮説を検証する力が必要とされる問題がみられた。昨年より難化 ―

昨年同様、幅広い出題であったが、問題文の読解に時間を要する考察問題や計算問題が増加した。また、4択の問題が減少し、7択以上の問題が増加した。選択問題で昨年までみられた複数分野の扱いはなくなり、仮説検証に関する思考力を問う問題がみられた。

地学

― 文章選択問題が増加。知識と考察力がバランスよく問われた。難易は昨年並 ―

文章選択問題が増加した。基本的な知識問題のほか、段階を踏んで計算・考察を行うことが必要な問題も複数出題された。昨年選択大問で出題されたアイソスタシーに関する計算問題が、今年は必答問題として再び出題された。難易は昨年並。

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