大阪大

前期日程

世界適塾入試の新規実施により、後期日程が廃止となり、一般選抜は前期日程の募集のみとなった。これにより、募集人員が前年度と変更になっている募集区分が多いので、出願にあたっては注意したい。

大学全体では、対前年指数は102と前年並、文系が107のやや増加、理系が99の前年並となっている。

・文学部は、2016年度入試での志願者数増加の反動はなく、対前年指数は109と増加している。しかし、募集人員が10人（８％）増加することから競争が厳しくなることはないと予想できる。人間科学部は対前年指数が101と前年並だが、募集人員が15人（15％）増加することから競争は緩和が予想される。

・外国語学部の対前年指数は102と前年並だが、募集人員が85人（20％）増加することから競争は緩和が予想される。専攻別の対前年指数で増減率が大きいのは、増加ではウルドゥー語520、フィリピン語200、ヒンディー語175、ペルシア語140、ドイツ語128、ロシア語122などで、減少ではベトナム語36、ハンガリー語54、ポルトガル語60、タイ語67、インドネシア語69、トルコ語79などとなっている。なお、出願にあたっては、募集人員が少ない専攻も多く、データネット後の志望変更にも注意したい。

・法学部は、2016年度入試における志願者数増加の反動は見られず、対前年指数は108と増加している。しかし、募集人員が12人（６％）増加することから競争は厳しくなっていない。学科別では２学科ともに増加だが、国際公共政策学科が114と大幅な増加となっている。

・経済学部は、2016年度入試において志願者数が３年連続増加したが、その反動は見られず、対前年指数120と高い人気を維持している。さらに、高得点層が増加しており、やや厳しい入試が予想される。

・理学部は、学部全体では2016年度入試における志願者数の大幅な減少の反動は見られず、前年度一般枠のみを志望した志望者との比較によると、対前年指数は100と前年並となっている。募集区分別では、生物科学科生命理学コースが81と減少率が大きくなっている。

・工学部は、2016年度入試において２年連続で志願者数が増加した反動から、学部全体の対前年指数は93と減少している。募集人員が27人（３％）減少するが、それでも競争は緩和が予想される。学科別では電子情報工学科のみが105とやや増加だが、他の学科は減少で、特に応用理工学科86、環境・エネルギー工学科88の２学科で減少率が大きくなっている。

・工学部は、全受験生に配点Ａと配点Ｂの２つの得点を持たせて選考する。配点Ａで募集人員の70％を選考し、その後、配点Ｂで残りの30％が選考される。配点Ｂでは、センター試験の得点が、配点Ａの合格者の素点合計最低点の70％以上の者を対象として、センター試験の得点は含まず、個別試験の得点のみで選考されるため、センター試験で目標とした得点が取れなかった場合でも、個別試験の学力を活かせば、合格のチャンスがある。

・基礎工学部は、2016年度入試において志願者数が大幅に減少した反動で、対前年指数は119と大幅に増加している。募集人員は５人（１％）減少するだけなので影響は小さいが、競争は厳しくなることが予想される。学科別では、４学科すべてで増加しているが、特にシステム科学科が対前年指数138と３割を超える大きな増加率となっている。

・医学部医学科は、2016年度入試において志願者数が２年連続で減少したが、その反動から対前年指数103とやや増加している。募集人員が15人（18％）増加することから、むしろ競争は緩和することが予想されるが、例年通りのハイレベルな入試に変化はない。なお、第１段階選抜は、センター試験の総点が900点満点中720点以上の志願者のうちから、募集人員の約2.6倍までの志願者を第１段階選抜合格者とするが、通過ラインは基準点の720点（得点率80.0％）からのアップはないと予想している。

・医学部保健学科は、学科全体では対前年指数104とやや増加している。しかしながら、募集人員が23人（17％）増加することから競争は緩和が予想される。専攻別では、看護学専攻が108の増加、一方で放射線技術科学専攻は93のやや減少となっている。

・歯学部は、2016年度入試において志願者数が３年連続減少した反動は見られず、対前年指数97とやや減少している。ただし、高得点層の分布には大きな変化はなく、前年並の入試が予想される。

・薬学部は、学部全体では対前年指数101と前年並となっている。学科別では、薬学科が106のやや増加、薬科学科は94のやや減少と対照的な動向となっている。

※「対前年指数」とは、データネットにおける前年度の志望者数を100としたときの、今年度の志望者数の割合を示す。