全国 医学部医学科
分析レポート
前期日程
対前年指数をみると、全体では98と前年並だが、一般枠と地域枠等別では、一般枠が98と前年並で、地域枠等が104とやや増加している。
・北海道・東北地区の全体の対前年指数は99と概ね前年並である。
弘前大は2017年度入試から第1段階選抜を実施する。また、個別試験から理科を除き、面接が点数化され数学、外国語と同じ300点の配点とする入試変更がある。科目負担減はあるものの、第1段階選抜の実施と面接の点数化から対前年指数は56と大幅減少している。高得点層も減少しており、第1段階選抜通過ラインは730点(81.1%)と予測している。定着枠も対前年指数は88と減少している。札幌医科大は2016年度入試で志願者数が大幅減少し、志願倍率も6.1倍から3.6倍にダウンしたがその反動はなく、一般枠の対前年指数は91と減少している。第1段階選抜通過ラインは650点(72.2%)と予想している。
・関東(首都圏含む)地区全体の対前年指数は98と概ね前年並である。
東京医科歯科大は、2016年度入試で3年ぶりに志願者数が増加したが、反動はなく対前年指数103とやや増加している。第1段階選抜通過ラインは700点(77.8%)と予想している。
・北陸地区全体の対前年指数は108と増加している。
2016年度入試では志願者数がほぼ倍増した富山大は、その反動から対前年指数は89と大幅減少している。しかし、データネットB判定値以上の高得点層は増加しているため油断はできない。第1段階選抜通過ラインは660点(73.3%)と予想している。
・中部地区全体の対前年指数は105とやや増加している。
信州大は2016年度入試で志願者数が大幅減少し、志願倍率が9.0倍から4.6倍にダウンしたが、その反動はなく対前年指数は101と前年並である。第1段階選抜通過ラインは355点(78.9%)と予想している。一方で、2016年度入試で志願者数が大幅増加した名古屋市立大は、その反動はなく対前年指数は99とこちらも前年並で、B判定値得点率は89%と予想している。
・近畿地区は2016年度入試で志願者数が減少した地区であるが、対前年指数101と前年並で反動増とはなっていない。
奈良県立医科大は2016年度入試で志願者が大幅減少した反動から、対前年指数は151と大幅増加している。第1段階選抜通過ラインは670点(74.4%)と予想している。
・中国・四国地区は対前年指数89と大幅減少している。
広島大は第1段階選抜基準を10倍から8倍に変更した。これにより通過予定人数が150人(20%)減少することになる。しかし、対前年指数は106とやや増加している。B判定値得点率は88.3%であり、今後の出願が慎重になることが予想される。
・九州・沖縄地区の対前年指数は96とやや減少している。
熊本大は2016年度入試の変更により志願者数が減少し、志願倍率が6.7倍から3.8倍にダウンした。しかしその反動は見られず対前年指数は80と大幅減少している。高得点層が減少しており、第1段階選抜通過ラインは300点(75.0%)である。
後期日程
全体では大阪大が後期を廃止したため、対前年指数は96とやや減少している。しかし大阪大の後期を除くと対前年指数は99と前年並である。
・地区別に対前年指数を見てみると、北海道・東北地区では104とやや増加している。関東地区で後期を実施する大学は千葉大と東京医科歯科大の2大学のみだが、合わせての対前年指数は110と増加している。中部地区は岐阜大のみが114と大幅増加しているが他大学はすべて減少している。近畿以西の地区では、近畿地区は減少、中国・四国と九州・沖縄地区は前年並で、医学部医学科の動向は西低東高である。
以下、注目大を見てみることにする。
・千葉大は入試科目を2016年度入試までの(論文+面接+総合テスト)から(数学+理科2科目+外国語+面接)に変更した。これにより入試対策がしやすく、また他大学からの流入も容易になり、対前年指数は115と大幅増加している。第1段階選抜通過ラインは810点(90.0%)と予想している。
・東京医科歯科大は第1段階選抜基準を約6倍から約8倍に引き上げた。これにより通過予定人数が30人(33%)増加するが、対前年指数は104とやや増加にとどまっている。
・福島県立医科大は第1段階選抜基準を9倍から10倍へと変更し、通過予定人数が23人(11%)増加した。しかし対前年指数は102と前年並である。第1段階選抜通過ラインは745点(82.8%)と予想している。
※「対前年指数」とは、データネットにおける前年度の志望者数を100としたときの、今年度の志望者数の割合を示す。