問題講評【旧生物I】

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― 全体的に演習量が結果に結びつく出題であった。昨年よりやや易化 ―

1.全体概況

【大問数・解答数】 大問数は昨年と同じ5大問、解答数は昨年に比べ1個減少し31個に。また、第2問から第5問までの配点がそれぞれ21、19、21、19へと変更された。
【出題形式】 昨年同様、2中問形式で問われた。文章選択問題は15個出題された。また語句選択問題が11個、組合せ問題が12個と昨年より多く出題された。
【出題分野】 特定の分野に偏ることなく、幅広く出題された。また、植物ホルモンに関する中問1題と、イモリの発生に関する小問1題が「生物」と共通問題であった。
【問題量】 昨年に比べて小問数は1個増加したが、解答数は1個減少。図、表、グラフの数は、昨年の21個から13個へと大幅に減少した。
【難易】 問題難易は昨年よりやや易化。

2.大問別分析

第1問「細胞の特徴とはたらき」 (20点・標準) 

Aは、動植物の細胞の違いと細胞膜の水に対する透過性に関する基本的な問題であった。Bでは、骨格筋の収縮と骨格筋の分化に関する問題が出題された。発生や興奮伝達の内容も含まれた。骨格筋が細胞融合によって形成されることについての思考が問われた。

第2問「生殖と発生」 (21点・標準) 

Aは、イモリの発生に関する問題であった。発生の順序や胚域移植に関して出題された。Bは、植物の生殖に関する問題であった。花粉形成や精細胞に関しての出題であった。2007年の本試で出題された、配偶子形成とDNA量の関係を扱った問題と類似していた。また、遺伝子のはたらきに関する設問も見られた。

第3問「遺伝」 (19点・標準) 

A、Bとも、遺伝子の相互作用からの問題であった。Aは問われている対象を読み取りにくく、計算にも手間がかかるものであった。Bは遺伝子のはたらきを読み取り分離比を求める遺伝分野の典型的な問題で、取り組みやすかった。

第4問「環境と動物の反応」 (21点・標準) 

Aは、恒常性からの出題であった。内分泌系、自律神経系に関する細かい知識が求められた。Bは動物の行動からの出題であり、条件を読み取る力が求められた。動物の行動が本試で出題されるのは、2007年以来であった。

第5問「環境と植物の反応」 (19点・標準) 

Aは、植物ホルモンに関する問題であった。ジベレリンの作用に関する基本知識とオーキシンの極性移動に関する実験結果の合理的解釈を問うものであった。Bは、光合成に関する問題であった。見かけの光合成曲線を読み取る力、および光合成の限定要因についての理解を問うものであった。2009年に類似のテーマの出題が見られた。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度20142013201220112010
平均点 53.25 61.31 64.00 63.36 69.70

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