問題講評【旧数学I・A】

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― 目新しい問題もあったが、全体的に基本の理解を問う出題。難易は昨年並 ―

1.全体概況

【大問数・解答数】 昨年と同様に、大問数4ですべて必答。
【出題形式】 昨年から変更なし。
【出題分野】 例年通り、幅広く出題された。昨年出題のなかった論理と期待値が出題された。
【問題量】 昨年並。
【難易】 昨年並。

2.大問別分析

第1問「数と式、論理と集合」 (20点・標準)  〔1〕は旧数学Iと共通問題、数学Iと一部共通、〔2〕は数学I・Aと共通問題

〔1〕は、式を展開し、係数を比較して考える問題。計算力が必要な問題であった。〔2〕は、命題の対偶と、命題の反例を答える問題。(2)で反例を具体的な数値で答えさせる問題は目新しい。各条件を満たす自然数を丁寧に調べられたかがポイントであった。

第2問「2次関数」 (25点・標準)  数学I、旧数学Iと共通問題、数学I・Aと一部共通

与えられた2次関数のグラフの頂点を求め、それを平行移動したグラフの関数f(x)を考える問題。(1)は最大値・最小値から軸のとりうる値の範囲を考えさせる問題で、目新しい。(2)は定点を通る条件を考え、因数分解する問題。(3)は2次不等式の解からf(x)の式を考える問題である。2次関数に関する幅広い内容からの出題であった。

第3問「図形と計量、平面図形」 (30点・やや易) 

三角形とその外接円に関する三角比と平面図形の融合問題。円周角60°である弧と弦で囲まれた図形の面積を求める問題は目新しかった。後半の問題は、方べきの定理や重心の性質など幾何の基本的な知識が問われていたため、取り組みやすかったであろう。

第4問「場合の数と確率」 (25点・標準)  数学I・Aと一部共通

5枚の正方形の板を隣り合う正方形どうしが異なる色となるように、赤色、緑色、青色のペンキを用いて塗り分ける場合の数と、赤色に塗られた正方形の枚数の期待値を求める問題。隣り合う正方形の塗り方に着目することがポイントであった。期待値は、(1)〜(6)で求めた結果を利用するとよい。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度20142013201220112010
平均点 62.08 51.20 69.97 65.95 48.96

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