データネット2019 2019年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評【数学IIB】

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1.総評

【2019年度センター試験の特徴】 

解答数が昨年よりも増加し、配点が細かく刻まれた。難易は昨年並

大問数、配点は昨年と同様。問題量、計算量は昨年並だが、解答数が昨年よりも増加し、第2問や第4問では配点1の設問が多く見られた。また、第4問「ベクトル」では空間ベクトルの問題が出題され、図形の形状を正しく把握する力が求められた。全体の難易は昨年並。

2.全体概況

【大問数・解答数】 昨年と同じく大問数は5。第1問、第2問が必答で、第3問〜第5問から2大問選択。第1問、第2問は数学IIとの共通問題であった。
【出題形式】 昨年から変更なし。
【出題分野】 昨年通り、数学IIの分野が60点分、数学Bの分野が40点分の出題。ただし、数学Bの3分野からは、2分野選択。第1問では「三角関数」「指数・対数関数」が出題された。
【問題量】 昨年並。
【難易】 昨年並。

3.大問構成

第1問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
三角関数、指数関数・対数関数 30点 やや易 〔1〕2倍角の公式、三角関数の合成、三角関数を含む方程式
〔2〕指数関数を含む方程式と対数関数を含む方程式の連立方程式
第2問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
微分法・積分法 30点 標準 3次関数の極値、放物線と接線に囲まれた面積、放物線と3次関数における共通接線と面積
第3問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
数列 20点 等比数列の和、階差数列、漸化式
第4問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
ベクトル 20点 やや難 四角錐や三角錐に関する空間ベクトル(ベクトルの大きさ、内積、面積と体積)
第5問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
確率分布と統計的な推測 20点 標準 期待値、正規分布表、標準偏差、信頼区間

4.大問別分析

第1問〔1〕「三角関数」

  • ●2倍角の公式を用いてf(θ)を2θを用いて表し、三角関数の合成を行ったうえで、f(θ)のとり得る最大の整数値を求める問題。
  • ●(1)は、関数の値を求める問題であった。三角比の計算なので、確実に得点しておきたい。
  • ●(2)は、与えられた関数を2倍角で表す問題であった。誘導に従って、正弦と余弦の2倍角の公式を利用すればよい。基本的な公式や知識の理解を問う問題であり、(1)と同様に確実に得点しておきたい。
  • ●(3)は、三角関数の合成を用いてf(θ)を変形し、三角関数を含む方程式を解く問題であった。教科書等でも頻出の基本的な問題であるため、正確に計算して、得点を積み重ねたい。
  • ●「三角関数の最大値を求める」というセンター試験では頻出のテーマ、かつ、非常に誘導が丁寧であったので、受験生にとって取り組みやすい問題であったといえる。
  • ●問題量は昨年並。計算量は昨年よりやや減少。
  • ●数学IIと共通であった。

第1問〔2〕「指数関数・対数関数」

  • ●指数関数を含む方程式と対数関数を含む方程式の連立方程式に関する問題。
  • ●前半は、真数の条件によるx,yのとり得る値の範囲を問う問題と、底の変換公式の理解を問う問題であった。真数の条件と底の変換という対数の基本的な知識を用いれば、容易に解答できる。
  • ●後半は、底が分数である指数を含む方程式に関する問題であった。文字定数tにおきかえて、方程式に変換するが、文字の消去や、変域の考察など、考えるべき部分がすべて問われているので、取り組みやすかったであろう。また、最後の問いであるxとyの値も、対数の性質を正確に理解していれば取り組めるであろう。
  • ●指数と対数のさまざまな知識や理解が幅広く問われたが、真数の条件、底の変換、tのおきかえ、範囲の吟味など、考えるべきことがすべて問題として問われており、誘導が非常に多かった。教科書レベルの問題を演習し、知識や公式の理解を深めておけば、十分対応できる問題である。
  • ●問題量は昨年並。計算量は昨年よりやや増加。
  • ●数学IIと共通であった。

第2問「微分法・積分法」

  • ●3次関数の極値、放物線と接線に囲まれた面積、放物線と3次関数における共通接線と面積に関する問題。
  • ●(1)は、与えられた条件から3次関数を決定し、極小値を求める問題であった。計算も容易なため、確実に得点しておきたい。
  • ●(2)は、点Aにおける放物線の接線を求めたうえで、放物線と接線およびx軸で囲まれた図形の面積を求める問題であった。接線の方程式を求める問題は、文字を含む計算がやや煩雑であるため、正確に処理する必要がある。また、面積を求める問題は、接線とx軸の交点のx座標を求めていることに着目して、直接面積を求めるのではなく、x=aの直線と放物線およびx軸で囲まれた面積を積分計算で求め、その面積から三角形の面積を引けばよいことに気付けるかどうかで差がついたと考えられる。この計算も文字を含む計算であるため、正確に処理する必要がある。
  • ●(3)は、与えられた条件から式を立てていくことで、(2)のSの値を求める問題であった。共通接線のイメージをもつことが難しいが、問題文をしっかりと読んで、誘導に従うと考えやすい。3次関数と接線の間で成り立つ条件を意識して、因数分解などの式変形を行うことができるかどうかがポイントである。
  • ●問題量は昨年並。計算量は昨年よりやや増加。
  • ●数学IIと共通であった。

第3問「数列」

  • ●等比数列の和であるSnと、階差数列が数列{Sn}である数列{Tn}をもとに、誘導に従って漸化式を満たす数列{an}の一般項を求める問題。
  • ●(1)、(2)は、与えられた初項や公比などをもとに、数列{Sn}、{Tn}の特定の項の値や一般項を求める問題。等比数列と階差数列の基本事項が問われているので、確実に解答しておきたい。
  • ●(3)は、anとTnを用いて表される漸化式を満たす数列{an}の一般項を求める問題。{an}の一般項を求めるために、与えられた数列{bn}を漸化式で表し、一般項を求める必要があった。問題文で誘導はされているものの、複数の数列の関係を把握しながら、素早く正確に処理することが求められたため、多くの受験生にとっては最後まで解答しきることが難しかったと推測される。
  • ●問題量は昨年並であるが、漸化式の変形や計算処理が複雑であったため、計算量は昨年よりも増加。

第4問「ベクトル」

  • ●四角錐OABCDと、四角錐の一部である三角錐BOACに関する空間ベクトルの問題。点の位置関係と図形の形状を正しく把握する力が求められた。
  • ●(1)は、∠AOCの大きさを求め、三角形OACの面積を求める問題。ベクトルaとベクトルcの内積が0になることから∠AOCが90°であることがわかれば、容易に面積を求めることができる。
  • ●(2)は、与えられたベクトルの大きさや内積の条件から四角形ABCDの形状を調べ、面積を求める問題。四角形ABCDの面積を求めるまでに、7つの問題に解答しなければならない。求めた値を図などを用いて整理しながら解答を進める必要があった。
  • ●(3)は三角形OACを底面とする三角錐BOACの体積Vを求める問題。ベクトルBHがベクトルaとベクトルcのいずれとも垂直であることから実数s、tを求め、BHの大きさを求めればよい。基本的な内容ではあるが、ベクトルa、b、cで表されるベクトルの計算処理を含むため、軽微なミスをしないように注意したい。
  • ●(4)は四角錐OABCDの体積を(3)のVを用いて表し、その高さを求める問題。三角形ABCと四角形ABCDの面積比に着目すれば容易に解答できる。空間図形を様々な視点からとらえることがポイントであった。
  • ●問題量は昨年並。煩雑な計算がほとんどないため、計算量は昨年よりやや減少。

第5問「確率分布と統計的な推測」

  • ●ある食品を摂取したときの、血液中の物質A、Bの変化量を考察する問題。
  • ●(1)は与えられたXの期待値と標準偏差からX^2の期待値や分散を求める問題。分散と期待値の公式の理解を問う基本事項で容易に解答できる内容であるが、単位の換算に注意が必要であった。
  • ●(2)は物質Aの量が減少しない確率や期待値、標準偏差を求める問題。二項分布の性質を正しく理解し、正規分布表を正しく用いて数値を読み取ることができれば、解答することができる。
  • ●(3)は血液中の物質Bの変化量を考察する問題。正規分布表をもとに信頼区間を求める。信頼度が例年と異なり90%という設定ではあったが、問われている内容は基本的なものであった。
  • ●確率変数が負の値であることや信頼度が90%であることなど、やや見慣れない設定ではあるが、例年と同様に教科書を中心とした基本事項であるため、過去問に取り組んでいた受験生にとっては解きやすかったであろう。
  • ●問題量は昨年並。計算量は昨年並。

5.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度20182017201620152014
平均点 51.07 52.07 47.92 39.31 53.94

6.センター試験攻略のポイント

  • ●数学II・Bの各分野の中で幅広く出題される場合もあれば、ある項目が重点的に出題される場合もある。苦手な項目をなくし、まんべんなく演習を積んでおきたい。また、数学II、数学Bの分野だけでなく、数学I、数学Aの分野など幅広い知識や理解が求められることもある。教科書に掲載されている定理・公式・解法などの基本事項をひととおりおさえたうえで、分野と分野の関連についても意識しておきたい。
  • ●数学II・Bの問題では、定理・公式の理解を問うような出題もみられる。過去にも弧度法の定義や微分の定義が問われるなど、数学の性質についての深い理解が問われることもある。教科書に掲載されている定理・公式は暗記するだけではなく、その成り立ちや導き方も含めて理解するようにしておきたい。
  • ●今年の第3問のように、解答時間に対して問題量・計算量が多く、限られた時間の中で素早く正確に処理することが求められる問題も出題される。日ごろから解答時間を意識した演習を積んでおくことと、複数の解法を身につけて効率よく解答する力をつけておくことが大切である。また、数値だけでなく、文字を含む計算も多いため、文字処理力も強化しておきたい。
  • ●与えられた条件や前の設問をうまく利用することを意識して、問題に取り組む必要がある。うまく誘導に従うことで、計算や処理の量を減らすことができる場合も少なくない。値を代入してどうなるかを試行錯誤することも重要である。
  • ●試験時間中は時間配分を考慮し、わからない箇所があればその部分にあまり時間をかけすぎず、わかるところから取りかかるようにするとよい。

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