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問題講評【数学II】

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― 解答群から選択させる問題が増えた。難易は昨年並 ―

第1問〔1〕では、対数関数のグラフや領域を選択させる問題が出題された。第2問の微分法・積分法に関する問題に関しては、計算はそれほど必要としない、選択肢から選ぶ問題が多く出題された。第4問では、問題文で点と直線の距離の公式が与えられていたことが目新しい。難易は昨年並。

1.全体概況

【大問数・解答数】 昨年と同様、大問数は4ですべて必答。第1問のみ、2中問構成であった。
【出題形式】 選択肢から選ぶ問題の解答数は、昨年が23個であったのに対し、今年は32個であった。また、第1問で前設問が正解の場合のみ点が与えられる問題が、初めて出題された。
【出題分野】 数学IIの全分野から出題。
【問題量】 ページ数は21ページ(下書き用紙除く)で、昨年より2ページ増加した。
【難易】 昨年並。

2.大問別分析

第1問「指数関数・対数関数」、「図形と方程式」、「式と証明・複素数と方程式」 (30点・やや難)  数学II・Bと共通 

〔1〕は、対数に関する問題。(1)は、底や真数に文字を含む対数関数のグラフの問題。kの値に対して、グラフの位置関係を判断することが必要であった。(2)は、対数を含む方程式・不等式の表す図形や領域について考察する問題。〔2〕は、3次以上の多項式を2次式で割ったときの余りが定数になる条件を考察する問題。(2)では、与えられた条件と同値な条件を導出する過程について考察する。(3)では、(2)の考察をもとに、具体的に係数の値や余りを求める。

第2問「微分法・積分法」、「図形と方程式」 (30点・やや難)  数学II・Bと共通 

2次関数y=f(x)と積分で表された関数y=S(x)のグラフの関係を考察する問題。(1)は、m=2のときのS(x)の極値を求める。(2)は、y=f(x)のグラフをもとにした面積S1とS2を考え、y=S(x)のグラフの概形を選択肢から選ぶ。(3)は、2次関数y=f(x)のグラフの軸に関する対称性を利用して、誘導に従って、y=S(x)上の指定された2点を結ぶ線分の中点を考察する。具体的な計算ではなく、文字を用いた数式などの抽象的な考察が続くため、取り組みにくかったであろう。

第3問「三角関数」 (20点・標準) 

三角方程式について考察する問題。(1)は、cosx=0を満たすxについて求める。(2)(ⅰ)は、cos3x+cos2x+cosxを加法定理を用いて整理し、方程式の解について考察する。(ⅱ)は、(ⅰ)と同様に、cos(n+1)x+cosnx+cos(n-1)x=0の解を考察する。

第4問「図形と方程式」 (20点・やや易) 

【点と直線の距離】の公式と【方針】が与えられて、異なる2つの円に共通する接線の接点Pの座標を求める問題。全体として、丁寧な誘導があるため、解法を悩む場面は少ないが、文字の多さに惑わされず点Pの座標について計算できたかで差がついたと考えられる。

3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度 2023 2022 2021 2020 2019
平均点 37.65 34.41 39.51 28.38 30.00

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