データネット2019 2019年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評【国語】

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1.総評

【2019年度センター試験の特徴】 

オーソドックスな出題で、文章全体を把握する力が求められた。昨年より易化

全体としての本文の分量は、ほぼ昨年並。評論で昨年同様、本文に関する対話形式の設問が出題。各大問ともオーソドックスな出題で、文章全体の趣旨や主題を把握する力が求められた。全体的に本文が読みやすく、昨年より易化。

2.全体概況

【大問数・解答数】 大問数4、解答数36個は、昨年から変更なし。設問数は、漢文で1個増え、全体として1個増(24→25)。
【出題形式】 評論では、問5で本文を読んだ生徒5人の発言を選択肢とし、本文の趣旨と異なる発言を選択させる設問が出題。昨年出題された図表を含む設問は出題されなかった。古文は和歌を含む御伽草子からの出題。小説、漢文は例年通りの出題。
【出題分野】 例年通り近代以降の文章2題(評論・小説)、古文1題、漢文1題という構成であった。
【問題量】 評論・小説・漢文ともにほぼ昨年並、古文で増加(1300→1700)。全体としては昨年並。
【難易】 昨年より易化。

3.大問構成

第1問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「現代文・評論」 50点 標準 沼野充義「翻訳をめぐる七つの非実践的な断章」による
第2問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「現代文・小説」 50点 標準 上林暁「花の精」
第3問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「古文」 50点 やや易 『玉水物語』
第4問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「漢文」 50点 標準 『杜詩詳註』による

4.大問別分析

第1問「現代文・評論」(約4200字)

  • ●沼野充義「翻訳をめぐる七つの非実践的な断章」からの出題。本文の分量は昨年並。対比を軸とする本文の論理構造や、各部分での話題・論点に即して順次論を進めていく論旨展開も比較的明快であり、随筆的な文体であることも相まって、昨年に続き受験生にとっては読みやすい文章であったと言える。しかしながら、翻訳という営みの〈割り切りがたさ〉を語る随筆的な文章であり、最終的に一つの明確な結論に到達するという文章ではないため、そうした文章に慣れない受験生には取りくみづらく感じられたかもしれない。
  • ●問1で漢字を、問2〜問5で各部分および全体の趣旨を、問6で表現や構成を問う設問の流れは例年通り。昨年出題された図(写真)と本文との関連を問う設問は出題されなかったが、対話形式の設問は引き続き出題された。ただし、設問形式は、昨年の〈対話中の空欄補充〉という形から、生徒の発言を選択肢とする2018年度追試・2017年度追試・2016年度本試の形に変わっている。設問形式は昨年とは異なるものの、学習指導要領の「言語活動の充実」や、センター試験に代わり2021年度入試から実施される「大学入学共通テスト」を意識したものだと考えられ、来年以降も同種の設問が出題される可能性があるものと思われる。上記の対話形式の設問(問5)を除けば、全体としてオーソドックスな出題であり、設問も取りくみやすいもので、難易度としてはセンター試験の現代文・評論として標準的なものだと言える。ただし、後述するように、傍線部についての設問であっても本文の広い範囲の趣旨の把握が前提となることが少なくない。今年は他大問でもそうした設問が出題されており、この点が今年の出題の特徴だと言うことができる。
  • ●問1は、漢字設問。近年恒例になっている訓読みが今年も出題された。(オ)で選択肢2の「傾倒」と選択肢4の「周到」で迷った受験生がいたかもしれないが、全体としては標準的な難易度だと言える。
  • ●問2は、傍線部の内容説明設問。傍線部Aの「その意味では」の指示内容である第4段落初めからの趣旨をとらえる。本文の「まがりなりにも理解される」「奇跡」という表現に照らせば、各選択肢の適否は比較的容易に判断できる。
  • ●問3は、傍線部の理由説明設問。第8段落初めからの「近似的な『言い換え』」に関する論を傍線部B「これは」で受けていることを押さえ、傍線部Bの「翻訳を回避する」という表現が〈あるべき翻訳のあり方に向き合っていない〉という趣旨だとつかんだうえで考える。選択肢1・3・4は〈あるべき翻訳〉についての筆者の意見としては限定的ないし誤りであり、選択肢5は前半が「これ」の指示内容として誤りであるため、選択肢2が正答となる。問3は今年の他大問においても出題されている本文全体の趣旨の把握が必要とされる設問で、今年の特徴が現れた設問だと言える。
  • ●問4は、傍線部の記述にうかがえる筆者の考え方を把握する設問。傍線部C前半の表現の内容を押さえたうえで、「そもそも正確な翻訳とは何かという言語哲学の問題」という表現から本文全体の趣旨を視野に入れて考えれば、選択肢2を選ぶことができる。選択肢1・3・4は翻訳についての筆者の考え方を限定的にとらえすぎており、また筆者は選択肢5「学問的に定義して決定していくべき」とは主張していない。問4も、「ここから翻訳についての筆者のどのような考え方がうかがえるか」という問い方にも注意して、本文全体の論旨を踏まえて答えることが求められる設問であった。
  • ●問5は、生徒の対話の形式で本文の趣旨を問う設問。対話形式自体は昨年に続く出題だが、2018年度本試が生徒の対話中の空欄を補充する形式であったのに対して、今年は生徒の発言を選択肢として本文との一致・不一致を判断させる2018年度追試・2017年度追試・2016年度本試の形となった。ただし、上記は「本文の趣旨に最も近い発言」を選ばせるものだったのに対し、今年は「本文の趣旨と異なる発言」を選ばせるものとなっている。選択肢2以外はそれぞれ本文の該当箇所を確認すれば適切な内容であると判断でき、「……現代の私たちには伝わらないよ」以下が本文と異なる内容である選択肢2が正答となる。これも本文全体を見渡して解答することが求められる設問であった。
  • ●問6は、表現・構成に関する設問。4択の枝問2問である点は4年連続だが、2017年・2016年度本試が枝問2問とも「適当でないもの」を答えさせる形であったのに対し、昨年および今年は(ii)が「適当なもの」を答えさせる形となっている。
  • (i)は近年頻出の形である〈表現のはたらき〉を問う設問。選択肢4の引用箇所は〈現在の自分が翻訳家として悪戦苦闘していること〉を伝えることに主眼を置いている箇所であり、「当時を懐かしむ」ことに重点を置いているのではないので、選択肢4が「適当でない」で正答となる。
  • (ii)は、本文全体の構成のしかたを問うた昨年と異なり、2017年・2016年度本試の〈各部分の展開〉を問う形となった。選択肢4で迷った受験生がいたかもしれないが、本文最後の部分で筆者は翻訳の様々なケースや考え方について述べているだけで、傍線部Cにも示されているように、あらゆる翻訳に通ずる「正しさ」を確定的に提示しているわけではないので、選択肢4は不適。

第2問「現代文・小説」(約4900字)

  • ●本文は、上林暁「花の精」の一節。本文の分量は実字数で4900字程度と、ほぼ昨年並。昨年は現代小説からの出題であったが、今年は近年多かった近代の作品からの出題に戻った。妻が病で長期不在の中、心の慰めとなっていた月見草を喪ってしまった「私」が、月見草を求めて友人と川原に出かけ、再び心の慰めを取り戻していく様子が描かれている。人物の心情を問う設問を中心として、語句の意味や表現に関する設問など、全体として例年通りの設問構成であった。本文そのものは読みにくいものではなかったが、設問には難度の高いものも含まれており、本文の叙述を精確にたどるとともに、全体の展開や構成を踏まえた読みとりが求められた。
  • ●問1は、語句の意味に関する設問。(ア)「お手のもので」、(イ)「肚を決めた」、は辞書的な語義、(ウ)「目を見張っていた」は、辞書的な語義に文脈を加味して判断することを求めた問いであった。いずれも受験生にとってなじみのない表現ではなかったものと思われ、難易度は、やや易しめの出題。普段から言葉に対する感度を保ち、幅広い語彙力を身につけていたかどうかが問われた。
  • ●問2は、主人公「私」の妹に対する心情を把握する設問。リード文に「夫に先立たれ途方に暮れている」とある妹が、菜園の世話をする中で「急に生き生きとして来た」ことや、本文19行目の「兄が花畠を……妹が菜園を……皆それぞれ、遣り場のない思いを、慰め、紛らそうがため」といった表現に着目する。妹は菜園に慰めを求めているはずなのに自分だけが草花で良い場所を占領してしまっては申し訳ない、という思いをしっかりと読みとれるかがポイントであった。リード文も踏まえ、冒頭の場面全体を視野に入れて心情を読みとることが求められた。
  • ●問3は、主人公「私」の心情の理由を読みとる設問。傍線部中の「それは」は、「そこ(橋番と話していたところ)へ、O君が月見草の大きな株を手いっぱいに持って、あがって来た」ことを指している。それがなぜ「よろこばしい図」だったのかをとらえる。O君はもともと鮠釣りに来ていて、「私」は月見草を求めて来ているという対照関係を踏まえて「よろこばしい」思いの内実を考えていく。直接的な理由説明はなされていないため、やや難度の高い設問だが、本文の叙述を根拠に心情を推測する出題は、センター試験では頻出である。
  • ●問4は、主人公「私」の心情を読みとる設問。「この前後の『私』の心情」という設問文に従い、傍線部の前の描写と、次の段落の「妻よ、安らかなれ」「私は感傷的で、涙が溢れそうであった」までを視野に考えていく。「妻よ、安らかなれ」という願いや祈りに触れているのは選択肢2と5だが、選択肢5は「その感情が……寒さや疲労と結びついて……いつまでも退院できないのではないか」という内容が本文からは読みとれないため、不適。ここでも、本文の叙述を的確に読みとることが求められた。
  • ●問5は、主人公「私」の心情を読みとる設問。「ここに至るまでの月見草に関わる『私』の心の動き」が問われていることに注意。本文93〜107行目に着目し、「眼の前一面に、月見草の群落……涙など一遍に引っ込んでしまった」「すべて一面、月見草の原……私は息を呑んだ」「うっかり気を取られていると、花のなかへ脱線し兼ねないだろう」といった表現と本文冒頭からの心情の変化を踏まえると、選択肢1「憂いや心労に満ちた日常から自分が解放されるように感じた」が正答だとわかる。それぞれの場面における状況や登場人物の心情を整理して読みとる力が求められた。
  • ●問6は、表現に関する説明の適否を判断する設問。近年は「適当でないもの」を2つ選ぶという形式で出題されることが多かったが、今年は「適当なもの」を2つ選ぶ設問形式であった。選択肢4は対比によって「嗅覚体験」が際立ったということを述べており、妥当と言える。また、比喩によって「心理を間接的に表現している」という選択肢6も正答。選択肢1は妹が「快活な性格」だとは本文のみでは断言できないので不適。選択肢2は、是政への旅は「私」にとって印象深い体験ではあったが、選択肢で引用されている表現がそのことを強調しているわけではないので不適。表現上の単なるレトリックだけではなく、文脈を踏まえ本文の内容と連動させて選択肢の内容を読みとることが求められた。

第3問「古文」(約1700字)

  • ●本文は、室町時代の御伽草子『玉水物語』からの出題で、御伽草子は2018年度追試に続いての出題。狐が姫君に恋して、娘に化けて侍女として姫君に仕えるという話である。昨年本試の歌論に比べると、本文は長くなったが、文章は読みとりやすい。また設問については、昨年と比べて選択肢は短くなったものの、本文全体を読んで内容をまとめる力が求められた。
  • ●問1は、例年通り古語の意味に関する設問。(ア)「しづ心なし」「思ひ奉りける」「あさまし」、(イ)「いかにして」、(ウ)「御おぼえ」の意味を選ぶ。いずれも、教科書などに出てくる基本単語・重要古語であり、確実な理解が求められた。(ア)は敬語の訳に注意しないと誤って選択肢4を選んでしまったかもしれない。(イ)は、「ばや」と呼応していることに、(ウ)は、「おぼえ」に「御」がついている場合には「ご寵愛」の意味で用いられることに、それぞれ注意する。
  • ●問2は、敬語に関する設問。敬意の対象についての問いは、2018年度追試と同じ形式であり、「奉る」「候ふ」「侍り」「参らす」という基本的な敬語について問われた。人物関係をきちんと整理して読解することが求められた。
  • ●問3は、狐の心情を読みとる設問。傍線部A直前の「美しき人を見そめ奉りて、およばぬ恋路に身をやつし」と、傍線部の「いたづらに消え失せなむこそうらめしけれ」から考える。「美しき人を……身をやつし」は狐の姫君に対する恋情を、「いたづらに……うらめしけれ」はこのまま空しく死んでしまうことに対する未練を表している。「いたづらに消え失せなむ」は「むなしく死ぬ」という意味。選択肢1がやや紛らわしいが、「罪の報いを受けて死んでしまうことを無念に思う」という点が、本文にない内容であるため、不適。
  • ●問4は、書かれている内容から娘(狐)の心情・思いを類推する設問。まず、傍線部B直前の「いかにしてさもあらむ人に見せ奉らばや」について、「見る」には「結婚する」、「見す」には「結婚させる」の意味があることから、〈主の女房が娘をいい人と結婚させようとしている〉ということを理解する。傍線部Bの「つやつやうちとくる気色もなく」は、主の女房が世話した結婚相手に対して娘がうちとけなかったということであり、娘は「縁談」に喜ばない様子を示すことで、主の女房(養母)に自分の願いを伝えたのである。自分の願いとは、本文10行目の「いかにして御そば近く参りて朝夕見奉り心を慰めばや」であり、義母の紹介した縁談を拒否して、18〜19行目「ただ美しからむ姫君などの御そばに侍りて、御宮仕へ申したく侍るなり」と自らの希望を義母に伝えているのである。本文には、選択肢で説明されている「思い」そのものは書かれてはいないので、傍線部の前後だけではなく、段落全体の内容を理解して判断する力が必要であった。
  • ●問5は、狐が娘に化けた理由を説明する設問。昨年の本試の問5・問6と同様、傍線部を設けず、該当箇所・関連箇所を本文全体から探し、選択肢の正誤をひとつひとつ確認することが求められた。姫君に恋する狐が娘に化けた理由について、「化けた」という言葉に注意して本文中から該当する箇所を探す。本文6行目の「我、姫君に逢ひ奉らば、必ず御身いたづらになり給ひぬべし。父母の御嘆きといひ、世にたぐひなき御有様なるを、いたづらになし奉らむこと御いたはしく」から、狐が姫君のことを気遣い、姫君の父母の気持ちを思いやっていることが読みとれれば解答できる。物語全体の展開をとらえ、問いに応じて直ちに該当箇所・関連箇所へ立ち戻ることができたかどうかがポイントであった。
  • ●問6は、第4段落の和歌をめぐる表現から玉水(狐・娘)の立場を考える設問。問5と同様、本文全体から該当部分を探す必要がある。玉水が「深き思ひのたぐひなるらむ」と詠んだ後、「わが心の内」と言ったのを聞いて、姫君は「何事にかあらむ、心の中こそゆかしけれ。恋とやらむか、また人に恨むる心などか。あやしくこそ」とたわむれに問う。この内容を見つけられれば、選択肢2が正答であることがわかる。選択肢3・4がやや紛らわしいが、選択肢3は「殿上人の存在」「姫君の恋を応援しようとする」が、選択肢4は玉水が「冷たい応対をせざるを得ない」が、それぞれ本文に記されていない内容であり、不適。

第4問「漢文」(185字)

  • ●本文は、『杜詩詳註』からの出題。我が子より自分を優先して育ててくれた叔母の死を悼んだ随想的な文章。家族や肉親の絆を主題とする文章は近年頻出である。設問は、重要語の意味、人物の置かれた状況・心情の説明、複数の意味・働きを持つ文字の読みや解釈を踏まえた書き下し、対比や指示語の内容に基づく解釈など、例年通り。全体として最近の傾向を踏襲した出題で、句法の理解よりも文章全体としての内容読解を重視した出題となっている。また、昨年同様(注)が多く、(注)が全体の読解のうえで重要な役割を持っている点にも注意したい。
  • ●問1は、文字の意味に関する設問。複数の意味を持つ文字の、文脈における意味を問う設問は最近の頻出である。また、「乃」は2016年度本試でも出題されたが、それとは異なる意味が問われた。
  • ●問2は、杜甫の状況に関する設問。送りがなから傍線部が疑問文であることを読みとる。「孝」が生きた肉親に対するだけのものではないという漢文の常識にも注意が必要だった。
  • ●問3は、理由説明の設問。この問いに限らないことだが、リード文で説明されている内容が全体の読解の前提になっていることに、まず留意したい。また、正答の根拠となる箇所は傍線部の直後にあるが、ここでも複数の意味を持つ文字(「報」)の解釈が判断のポイントになっており、注意が必要であった。
  • ●問4は、書き下しと解釈の設問。文脈を踏まえて複数の働きのある語を理解することがポイントとなる書き下しの設問は、近年頻出である。特に、複数の働きがある「之」の読みは頻出であり、原則として〈名詞+之〉は「の」、〈動詞+之〉は「これ」である(「ゆく」は稀なので、「の」「これ」では意味が通らないときに考えればよい)。これにより選択肢1・3に絞ることができるが、さらに複数の働きのある「処」が含まれるので、傍線部の後の叔母の行動を考え合わせて正答を選ぶ。
  • ●問5は、解釈の設問。「我」と「姑之子」との対比に着目して考える。「卒」は知っておくべき重要語だが、仮に知らなくても、「存」の反対で「死ぬ」の意であることがわかる。対比や対句的表現を利用して解釈する設問は、近年頻出である。
  • ●問6は、解釈の設問。指示語「焉」の内容が問われているが、注を利用して「魯義姑」の行動を理解する必要があった。注の読み取りが本文の理解に深く関わるのは、2017年度本試、2018年度本試に続いての出題。なお、漢文での「私」は「私利私欲」など、通常マイナスのイメージを持つという知識も求められている。
  • ●問7は、杜甫の行動と心情の設問。推量の表現「蓋」以下に杜甫の思いが語られているが、ここでも複数の働きのある語「至」「文」の解釈に注意が必要であった。「至上」などの熟語からの連想や、「文」を「あや」と読んだとき、文章の修辞を表すことなど、普段の学習や生活の中で身につけた語彙を手掛かりに、「本当に感情が高ぶると言葉を飾ることはできない」と述べていることを理解できたかどうかがポイントであった。

5.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度20182017201620152014
平均点 104.68 106.96 129.39 119.22 98.67

6.センター試験攻略のポイント

  • ●今年のセンター試験は、総じてオーソドックスな出題となっており、文章全体を把握する力が求められた。特筆すべきは評論の問5であり、この設問では本文の趣旨が生徒の対話形式で問われ、対話の流れを踏まえつつ、本文全体を見渡して考える力が求められた。このような生徒の対話形式は学習指導要領でも重視されている「言語活動の充実」を意識した出題であり、2021年度入試から実施予定の「大学入学共通テスト」で求められるであろう学力を意識したものとも考えられ、今後も同じような力を試す出題が続く可能性がある。従来にはない新しい形式の問いにも対応できるように、センター過去問の演習だけではなく、一部の個別試験などに見られる新傾向の設問にも目を通しておきたい。本文の構成を押さえたり、馴染みのない表現を丁寧に読み解いたりする従来的な力も必要であるが、加えて、本文の文章とその他設問などで与えられる文章を比較することでどのような情報が見えてくるか、それぞれの文章から必要な情報は何かを瞬時に判断する力も身につけておくことがポイントであろう。
  • ●本文の分量は古文で増加したが、全体としては昨年並。ただし、3行選択肢が全体で5問出題されるなど、全体として読みとる分量は多い傾向が続いている。出題内容は総じてオーソドックスなものであったが、本文全体の構成・展開を踏まえつつ、本文と選択肢を丁寧に照合することが必要とされる設問もあることから、限られた時間の中で速く読む力、そして手際よく情報を処理する力を鍛えることが肝要である。解いていく大問の順序や時間配分など、事前に計画を立て、その計画に沿って演習を行うことがポイントであろう。一方で、最初に取りかかろうとした大問が難しい、時間がかかるなどと思ったら、いったん解答を中断して、別の大問に移るという柔軟さも必要である。模試や演習などの機会を活用して、自分なりの解答方法を確立させておきたい。また、今年の評論では随筆的な文章が出題され、昨年の古文では近年多く出題されている物語文ではなく論理的な歌論が出題されるなど、普段読み慣れない文章が出題されることも今後考えられるので、これまでのセンター試験の傾向を踏まえた対策をすることは当然のことではあるが、どのような文章でも対応できるように、現代文・古典ともに、幅広く、さまざまなジャンル・筆者の文章に触れておくことが望ましい。
  • ●基礎事項は必ず頭に入れておきたい。評論の漢字の設問や、小説の語句の意味に関する設問などにおいて、日常生活ではあまり使用しない言葉が出題されることもある。たとえ普段の生活ではあまり使わない漢字・語句であっても、教科書や問題演習、模試などにおける文章で出会ったものについては、辞書などで意味を確認し、用法を含め頭に入れておきたい。古文は、古文単語、文法(敬語を含む)、和歌の修辞、古文常識や文学史などを、漢文は、重要語、再読文字や句法などを繰り返し復習することで、基礎事項を正確に覚えておきたい。

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