データネット2020 2020年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評【英語・リスニング】

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1.総評

【2020年度センター試験の特徴】 

日常の場面における実践的な英語力が問われた。難易はやや難化

昨年に続き、音声情報と視覚情報を組み合わせて答える問題が出題された。場面に応じた聞き取りが必要とされ、実践的な英語力が問われた。情報の類推や口語的な応答表現を問う問題を中心に取り組みづらい出題がみられ、第3・4問では解答時間が短くなった。

2.全体概況

【大問数・解答数】 大問数4、解答数25個は、昨年から変更なし。
【出題形式】 問題の構成や配点は昨年通りで、出題傾向に大きな変更は見られなかった。
音声の読み上げ速度が全体的に昨年と比べて遅くなり(平均約150語/分→約130語/分)、一方で音声読み上げ後の解答時間はやや短くなった。
【出題分野】 日常会話やモノローグ、視覚情報を含む英文の内容把握が問われた点は、昨年から変更なし。
第3問Bでは、アルバイトの募集広告を見ながらの対話が出題され、日常的な場面での対話の内容理解が求められた。
【問題量】 昨年並。
【難易】 昨年よりやや難化。

3.大問構成

第1問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「短い対話・Q&A選択」 12点 標準
第2問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「短い対話・応答文選択」 14点 やや難
第3問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「対話/広告と対話文」 12点 標準 A問14「スーパーの買い物で男性が驚いたこと」、問15「講義から学んだ幸せの見つけ方」、問16「建物間の移動」
B「夏休みのアルバイトへの応募」
第4問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「モノローグ/話し合い」 12点 標準 A「日本とネパールにおけるお茶と時間に対する感覚の文化的な違い」
B「ギター教室のレッスンを続けるかどうか」

4.大問別分析

第1問「短い対話・Q&A選択」(短い対話を聞いて質問に答える形式)

  • ●読み上げられる対話の発話数は、昨年から変更なく、すべての問題で4であった。読み上げられる語数は170語(昨年175語)で昨年並、読み上げ速度は平均で約124語/分(昨年約147語/分)で昨年より遅くなった。対話の内容に合うイラストを選ぶ問題や、計算を要する問題、グラフを用いた問題などが出題された。
  • ●図表に関する問題は、「寝そべるパンダの姿」(問1)、「年間漁獲量の変化に関する折れ線グラフ」(問6)の2問が出題された。問1はパンダと岩の位置関係は特定しやすかったが、lying on his stomachがどのような状態を意味するかに悩まされたであろう。問6では近年サケの漁獲量が減っている傾向と、not in 2016から2016年だけ例外であることを聞き取ることができたかがポイントであった。
  • ●数値の聞き取りに関する問題は、「飛行機の出発時間」(問2)、「所持しているDVDの数」(問5)の2問が出題された。問2は特に計算の必要はなかったが、afternoon oneから14:00の便に絞り込む必要があった。問5では、「もう20枚注文しようと思っている」という男性の最後の発言に惑わされず、所持している数のみを計算できたかがポイントであった。
  • ●問3は小冊子を完成させるために必要なものについて、問題文のWhat do they still needから「既に持っているもの」と「これから手に入れなければならないもの」という観点で情報を整理することが求められた。
  • ●問4ではopening remarksやWould you mind 〜ing?、take one's place、Not at all.などの表現から、開会のあいさつを女性が引き受けた状況を把握する必要があった。

第2問「短い対話・応答文選択」(対話のあとに続く応答を選ぶ形式)

  • ●読み上げられる対話の発話数は、昨年から変更なく、すべての問題で3であった。読み上げられる語数は187語(昨年202語)で昨年並、読み上げ速度は平均で約138語/分(昨年約156語/分)で昨年より遅くなった。対話の場面や話題としては、「マフィンの隠し味」(問7)、「病院の当日予約」(問8)、「アイデアへの感謝と昼食への誘い」(問9)、「財布の忘れ物について」(問10)、「学校への交通手段と所要時間」(問11)、「読む価値のある本かどうか」(問12)、「90点だったテストへの反応」(問13)が出題された。
  • ●問7は、マフィンに入っている3つ目の食材を尋ねられ、質問に直接答えていない「それは秘密」という選択肢が正答であった。また問10は、財布を落とした人の名前を確認した後、「すぐに戻ります」という選択肢が正答であった。これらは、対話の流れからすぐに想定できる応答ではなく、判断に迷ったであろう。
  • ●問9の正答であるAnytime.や問13の正答であるBut I can't help it.のように、口語的な応答表現も問われた。
  • ●第2問全体としては、日常の生活場面を意識した会話から、次に続く内容を判断する力が求められた点は昨年から変更はない。しかし、対話の流れからすぐには正答を推測しづらい問題や、口語的な応答表現を正答とする問題において、判断に迷った受験生も多かっただろう。

第3問「対話/広告と対話文」(対話を聞いて質問に答える形式/視覚情報と音声情報をもとに質問に答える形式)

  • ●読み上げられる対話の発話数は、Aが6〜7(昨年は5〜8)、Bは13(昨年は14)であった。読み上げられる対話の語数は、Aは146語で昨年と同様、Bは143語(昨年は144語)で昨年並であった。読み上げ速度は、Aが平均で約132語/分(昨年は約151語/分)、Bは平均で約125語/分(昨年は約154語/分)であり、どちらも昨年より遅くなった。
  • ●Aの問14は、charge me for〜という表現がポイントであるが、文脈から「課金する」という内容をある程度予測することができただろう。また問16は、連絡通路でつながった建物間の移動に関する問題で、位置関係を把握し、移動のイメージができたかがポイントであった。
  • ●Bは昨年に引き続き、音声情報と文字情報が与えられ、それらに関する3つの質問に答える形式であった。素材は4つのアルバイトの募集広告で、昨年と同じく、ある程度整理された情報であった。
  • ●Bの問19は、男性は最終的にどのアルバイトに応募するかという問題で、アルバイトの種類と働くことができる曜日・時間までを聞き取る必要があり、情報の処理に時間を要したであろう。それぞれのアルバイトに2つの勤務可能な時間帯があり、男性の予定から応募先と勤務時間が絞られることを聞き取る必要があった。

第4問「モノローグ/話し合い」(英文を聞いて質問に答える形式/話し合いを聞いて質問に答える形式)

  • ●読み上げられる英文の語数は、Aは198語(昨年は203語)、Bは297語(昨年は294語)で昨年並であった。Bの話し合いの発話数は10(昨年は11)であった。読み上げ速度は、Aは平均で約122語/分と昨年の約129語/分よりやや遅くなっており、Bも約138語/分と昨年の約159語/分よりも遅くなった。
  • ●Aは昨年に引き続き、長めの英文を聞いてそれに関する3つの質問に答える形式であった。解答に必要な情報が後半に述べられており、それぞれの問題の該当箇所がやや近かったため、聞き逃さないように注意する必要があった。
  • ●Aの問22は、話者が先生としての経験から何を学んだかという問いで、最終文のworking in Nepal taught me the value of building the bonds of smooth, lasting relationships...over teaから正答を導くことができたであろう。
  • ●Bは昨年に引き続き、会話の場面が与えられたうえで、3人の人物による話し合いを聞いて3つの質問に答える問題が出題された。話の流れは全体的にシンプルで、日常的な場面を想定した問題であった。DavidとMarkの声が聞き分けにくかったが、ギター教室のレッスンを続けるか悩んでいるDavidと、それにアドバイスをしているMarkというそれぞれの立場を理解しておけば、惑わされずに内容を理解できたであろう。
  • ●Bの問24は、Amyが「上手くなるためには先生と練習すべきである」という意見を一貫して述べていることを踏まえ、言い換えられたTo become a skillful playerを正答として選ぶ必要があった。問25はDavidが対話の後、次は何をするだろうかという問いで、Davidの最後の発言から、レッスンを続けることと、バンドを組みたいという気持ちを把握できれば、Continue his lessons and form a bandという正答にたとり着けたであろう。

5.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度20192018201720162015
平均点 31.42 22.67 28.11 30.81 35.39

6.大学入学共通テストへの展望

  • ●大学入学共通テスト(リスニング)では、日常の対話の場面、複数人による話し合いの場面など、読まれる音声の場面設定が幅広い点は、センター試験と同様と予想される。日頃の学習では、状況や場面をきちんと把握しながら音声を聞きたり、多様な場面設定の問題に取り組んだりする必要があるだろう。
  • ●音声の中の正答に関わる英文が選択肢で言い換えられる点は、これまでと同様と予想される。音声で読まれたことがそのまま正答とならないという前提で放送を聞くこと、そして、理解できる表現の幅を増やすことが必要である。
  • ●数値を聞き取ったうえで、計算をする問題も引き続き出題が予想されるため、メモの取り方なども含めて類題演習を重ねる必要があるだろう。
  • ●第3問Bのように、音声情報だけでなく、印刷された視覚情報を組み合わせなければ解けない問題も、引き続き出題されるであろう。放送の前に、質問文や選択肢を含む印刷されている情報にきちんと目を通し、その内容を把握したうえで音声を聞き取る練習にも力を入れておきたい。
  • ●第4問Bでは、3人の話者のそれぞれの意見や立場を整理しながら、素早く概要を把握する必要があった。このように、部分的な聞き取りで正答を導くのではなく、複数の情報をもとに判断したり、すべての内容から総合的に正答を判断したりする、聴解力と同時に思考力を要する問題が引き続き出題されると予想される。聞き取った内容のメモをとり、要旨や結論をまとめる演習を行うことも、情報を素早く整理する力の強化に役立つであろう。
  • ●大学入学共通テスト(リスニング)は、問題後半のやや長めの英文が1回読みに変更となり、さらに前述したような様々な力が、ときには組み合わさって求められることになる。まずは短い英文で1回読みに慣れ、少しずつ長い英文を題材とした情報把握の練習を増やしていくとよいだろう。

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