データネット2019 2019年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評【英語・リスニング】

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1.総評

【2019年度センター試験の特徴】 

出題形式に大きな変更はなく、音声+視覚情報で答える問題が出題。昨年より易化

音声情報とイラストや図表を含む視覚情報とを組み合わせて答える問題や、3人の話者による話し合いの場面での出題がなされた。聞き取った内容を、設問に応じて処理する力が、昨年に引き続き求められた。また、細かい情報の聞き取り、直接述べられていない情報の類推なども求められた。ただし全体的には取り組みやすく、難しかった昨年より易化。

2.全体概況

【大問数・解答数】 大問数4、解答数25個は、昨年から変更なし。
【出題形式】 出題形式は昨年通りで、出題傾向に大きな変更は見られなかった。
【出題分野】 さまざまな日常の場面を問うている点で、昨年から変更なし。
【問題量】 昨年並。
【難易】 昨年より易化。

3.大問構成

第1問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「短い対話・Q&A選択」 12点 やや易
第2問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「短い対話・応答文選択」 14点 やや易
第3問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「対話/案内図と対話文」 12点 やや難 A問14「待ち合わせに遅れた理由」、問15「スカートを縫うのを手伝う人を紹介」、問16「休憩時の飲み物」
B「博物館の入場券売り場での対話」
第4問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「モノローグ/話し合い」 12点 やや易 A「2人の兄と自転車に乗る練習をする少女の体験談」
B「動物保護センターでペットの犬を探す」

4.大問別分析

第1問「短い対話・Q&A選択」(短い対話を聞いて質問に答える形式)

  • ●読み上げられる対話の発話数は、昨年から変更なく、すべての問題で4であった。読み上げられる語数は175語(昨年180語)で昨年並、読み上げ速度は平均で約147語/分(昨年約146語/分)でこちらも昨年並。対話の場面や話題は日常の生活を意識したものが中心で、条件に合うイラスト・グラフを選ぶ問題や、数値計算に関する問題などが出題された。
  • ●図表を選ぶ問題は、「漫画のキャラクターの特定」(問1)、「賛成・反対の円グラフの特定」(問6)の2問が出題された。問1ではキャラクターの特徴であるa vegetableとwingsが聞き取れれば特定は容易。問6では最初の発言のthan for it のforを正しく聞き取らなければ解答は難しかったであろう。具体的な数値は放送されていないが、グラフでFor(賛成)、Against(反対)の割合の比較ができることに加え、ForとUndecided(未定)を合わせるとAgainstの割合を超えるということを聞き取れるかがポイントであった。
  • ●数値を聞き取って計算する問題は、「旅程の日数」(問2)、「テニスコートの使用料金」(問5)の2問が出題された。問2では滞在する予定の都市と日数が、はじめ男性の発話では不確定であったところを、女性の2つ目の発話で確定しているのを聞き取ることがポイント。問5ではテニスコートの1時間あたりの使用料金が午前と午後とで違うこと、借りたいのは午後の2時間であることから計算することが求められた。
  • ●問3では仮定法のI wishや最後の発言のSo did I.をきちんと理解することが必要であった。
  • ●問4ではsaltが今どこにあるかを推定する問題で、直接的な場所(In the picnic basket)は対話中に言及されていないが、didn't put it backをpicnicに結びつけられるかがポイントであった。

第2問「短い対話・応答文選択」(対話のあとに続く応答を選ぶ形式)

  • ●読み上げられる対話の発話数は、昨年から変更なく、すべての問題で3であった。読み上げられる語数は202語(昨年171語)でやや増、読み上げ速度は平均約156語/分で昨年とほぼ同じ。対話の場面や話題としては、「スマートフォンを落として壊した男性」(問7)、「上司に休暇を申請するかの相談」(問8)、「学校での講演会の開催情報」(問9)、「信号点滅中に道路を渡るかどうか話している場面」(問10)、「パーティーに向かう時刻について」(問11)、「ピザの注文と割引」(問12)、「夜行バスの乗り場を聞く場面」(問13)が出題された。
  • ●問9はdiplomatやauditoriumの内容がわからない受験生もいただろうが、最後の発言のstill some seats leftから類推すれば解答できたであろう。
  • ●問10では道路を急いで渡ろうとしている男性に対し、女性は否定的な気持ちであることを判断することが必要であった。
  • ●問11は(7時まで勉強をしようと思っていたのに対し)surprise partyが6時に始まることがわかるかがポイント。
  • ●問12はピザを電話で注文している場面。店で受け取れば20%割引になるという店員の発言から、客の判断を推測することが求められた。
  • ●問13はabove it(= the final station)がわかるかがポイント。
  • ●第2問全体としては、口語表現が含まれる日常の生活場面を意識した会話から、次に続く内容を判断する力が求められた点は昨年から変更はない。定型的な対話表現の理解や受け答えだけでなく、対話からその場面・状況と発話者の意図を推測する力が求められた。また、正答の選択肢が音声では表現されていないことも多いので注意が必要。

第3問「対話/案内図と対話文」(対話を聞いて質問に答える形式/視覚情報と音声情報をもとに質問に答える形式)

  • ●読み上げられる対話の発話数は、Aが5〜8(昨年はすべて6)、Bは14(昨年は11)であった。読み上げられる対話の語数は、Aは146語(昨年は147語)、Bは144語(昨年は150語)と、ともに昨年並であった。読み上げ速度は、Aが平均で約151語/分と昨年(約150語/分)と同様、Bは平均で約154語/分と昨年(約140語/分)よりやや速くなった。
  • ●Aの問14では女性の発言よりI was waiting on the other side.とSorry, my battery died.を、問15ではOh, I have a friend who could help you.を、また問16ではon second thought, I'll have the same (= coffee).をそれぞれ聞き取れていれば正答できたであろう。
  • ●Bは昨年に引き続き、音声情報と文字情報が与えられ、それらに関する3つの質問に答える形式であった。素材が昨年の地図からメニュー的な並列情報に戻ったが、すべての設問で音声情報と文字情報を組み合わせる必要がある点は、昨年と変わらなかった。
  • ●Bの対話の場面は、博物館の入場券売り場の係と来館者とのやりとりである。文字情報から展示やレクチャーが行われる曜日や時間、入場料などを目で追いながら、音声情報と結びつけて正答を導き出す必要があった。聞く技能と読む技能を統合して、多くの情報を同時に処理する力が求められた点で、昨年同様に注意の必要な出題であった。

第4問「モノローグ/話し合い」(英文を聞いて質問に答える形式/話し合いを聞いて質問に答える形式)

  • ●読み上げられる英文の語数は、Aは203語(昨年は200語)、Bは294語(昨年は293語)で昨年並であったが、Bの話し合いの発話数は11(昨年は7)となった。読み上げ速度は、Aは平均で約129語/分と昨年並であったが、Bは約159語/分と昨年の約134語/分よりも速くなった。
  • ●Aは昨年に引き続き、長めの英文を聞いてそれに関する3つの質問に答える形式で、話題は「2人の兄と自転車に乗る練習をする少女の体験談」であった。
  • ●問20ではMy friends could no longer tease me for not being able to ride a bicycle.を、問21ではI hit the garage.を、問22ではthis experience taught me to be strong and not to give upをそれぞれパラフレーズした選択肢1が正答であり、比較的容易に解答できたはずである。
  • ●Bは昨年に引き続き、会話の場面が与えられたうえで、3人の学生による話し合いを聞いて3つの質問に答える問題が出題された。
  • ●問23のthe main reason for adopting dogsについてはJanetの最初の発言most importantly, all the dogs need a new home and family to love themに気づけばよかった。問24では設問文のconcernsに関する内容として、Nicholasの2度目の発言...shelter dogs might have some kind of problem. They might bite people or bark too much.を聞き分けたうえで、選択肢のbehavioral problemsと結びつける必要があった。問25は、Janetの最後の発言Why don't we all go to the shelter downtown after school todayに他の2人が同意していることから容易に正答できたであろう。話の流れは全体的にシンプルで、Janetの説明に他の男性2人が説得されている様子をとらえればよく、日常的な場面を想定した展開であった。

5.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度20182017201620152014
平均点 22.67 28.11 30.81 35.39 33.16

6.センター試験攻略のポイント

  • ●さまざまな日常の対話の場面、複数人による話し合いの場面など、読まれる素材の種類や場面は幅広く出題される。日頃の学習では、まずはどのような状況・場面なのかを音声の中にヒントを見つけて特定することが重要である。それには、設問に応じて聞き取り処理ができるよう、多様な場面の問題に取り組んでおくことが必要である。
  • ●音声情報だけでなく、印刷された視覚情報を組み合わせなければ解けない、技能融合を意識した問題も近年出題されている。実戦的なセンター試験対策を行う時期には、解答に必要な語句を正確に聞き取るだけでなく、印刷されている質問文や選択肢に放送の前に素早く目を通し、それらの意味を把握したうえで、どんな状況や場面の英文かを予測しながら聞き取るという練習にも力を入れておきたい。また、数値を含む複数の情報が読まれたり、正答に関わる箇所の英文が選択肢で言い換えられるという問題の特徴を踏まえたうえで、メモの取り方なども含めた解答の仕方を練習する必要がある。
  • ●部分的な聞き取りで正答を導くのではなく、複数の情報をもとに判断したり、すべての内容から総合的に判断したりする、いわば聴解力と同時に思考力を要する出題傾向になっている。今後の対策としては、過去問や模擬試験の問題を利用して類題演習を行うことはもちろん、常に「実践的な場でのリスニング」を想定し、英語を聞いて、その内容に関する英語の質問に答える練習や、英文の書き取り(ディクテーション)、音読などを、日々の学習の中にできるだけ多く取り込んでおくことが必要であろう。さらに、聞き取った内容について要旨や結論をまとめるといった演習を行うことで、概要を素早く把握する力の強化につながるであろう。

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