データネット2019 2019年度 大学入試センター試験 自己採点集計

問題講評【英語・筆記】

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1.総評

【2019年度センター試験の特徴】 

出題形式に大きな変更なし。素材文の総語数はやや減少。難易は昨年並

表を含む説明文や物語、論説など、様々な素材を読解する力が求められた。全体の概要を問う出題は変わらず、学習指導要領で重視される英文の内容を素早く大づかみする力とともに、細部を正確に読む力も求められた。

2.全体概況

【大問数・解答数】 大問数6、解答数54個は、昨年から変更なし。
【出題形式】 形式や配点、出題傾向に大きな変更はなかった。第4問Aのグラフが表となり、第5問では主人公の体験に関する一人称の物語が出題された。英文量は少なくないため、素材や目的に応じた読み方をし、素早く概要をとらえる力が求められた。
【出題分野】 例年通り、発音・アクセントから、読解、視覚情報を含む英文理解まで、幅広い領域が問われており、多岐にわたるジャンル・形式の出題であった。
【問題量】 昨年並。
【難易】 昨年並。

3.大問構成

第1問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「発音・アクセント」 14点 標準
第2問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「文法・語彙語法・語句整序・応答文完成」 47点 標準
第3問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「不要文指摘・発言要約」 33点 やや難 B「恩師への贈り物についての話し合い」
第4問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「データ読み取り(図表・案内)」 40点 標準 A「絵画作品に描かれる食品の国別・種類別の頻度」B「4つの城の特徴と入場案内」
第5問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「長文読解(物語)」 30点 やや易 「野菜畑を管理する体験から学んだこと」
第6問
出題分野・大問名 配点 難易 備考
(使用素材・テーマなど)
「長文読解(論説)」 36点 標準 「人間の活動と交通路・情報網の発達」

4.大問別分析

第1問「発音・アクセント」

  • ●Aの発音問題は、昨年同様に母音2問、子音1問の出題であった。Bのアクセント問題は、昨年同様、2音節の単語が1問、3音節の単語が2問、4音節の単語が1問出題され、例年通り4つの単語のうち第一アクセントの位置が他の3つと異なる語を選択する形式であった。equalやcalendarなど、日本語と英語ではアクセントが異なる語が出題された。

第2問「文法・語彙語法・語句整序・応答文完成」

  • ●問題数や形式、配点に変更はなかった。
  • ●Aの空所補充問題では、「〜に遅れて」を意味する前置詞behind(問1)、「すぐに」の意味を表すin no time(問2)、「もう少しで〜するところ」の意味を表す副詞almost(問3)、「<物・時間など>を使い果たす」の意味を表すrun out of 〜(問4)、「(〜の)要求を満たす」という意味を表すmeet one's demand(問5)、「さもなければ」の意味を表す副詞otherwise(問6)、「〜の手段」の意味を表すa means of 〜(問7)が問われた。問8〜10では、昨年同様、空所2か所に入る語の組合せを問う形式で、分詞形容詞shockedとsurprisingの使い分け(問8)、「〜することはできない」という意味を表す慣用表現there is no 〜ingとなる組合せ(問9)、askの用法と原級比較に副詞accuratelyを用いる表現となる組合せ(問10)を選ぶ問題が出題された。熟語や慣用的な表現の出題が目立つ傾向は昨年と同様であった。
  • ●Bでは語句整序が出題され、3問とも対話形式で、与えられた語が6つである点も変更がなかった。問1では、「〜だろうかと思う」という意味を表すwonderに疑問詞how+muchを続ける表現、問2では「〜の残り」という意味を表すfor the rest of 〜の副詞句、問3では<It is ... to 〜>の形式主語を用いた構文と<使役動詞make+O+C>の文型を用いたmake oneself heard「自分の声を相手に伝える」という表現が問われた。前後の文脈から空所に入る内容を推測し、文法的に正しい英文を組み立てる力が問われた点は例年通りであった。
  • ●Cは対話文中の最後の発言について、文法的に正しく、文脈にも合う応答となるように語句を組み合わせる問題で、昨年と同様、2往復以上の対話の形で出題された。問1では、最初の発言から入場者の数が減っていることを読み取り、fewer peopleを選ぶことができたかどうかと、duringとwhileの使い分け、問2では、barelyとseldomの意味の違いと、最終文から内容が正確に判断できたかどうか、問3では、<I'm afraid (that) S+V>の構文と文脈からput offを選ぶことができたかどうかが問われた。(A)(B)の組合せは文法・語法上は成立するものがほとんどであるため、正答を導くには文脈的にどの組合せが適切かを判断する必要があった。昨年同様、文脈からの判断が重視される傾向が顕著であった。

第3問「不要文指摘・発言要約」

  • ●問題数や形式、配点に変更はなかった。
  • ●Aは、まとまりをよくするために取り除いた方がよい一文を選ばせる問題が出題された。それぞれのテーマは「パイロットが飛行中に目印としていた巨大な矢印」(問1)、「都会と田舎に住む鳥の違い」(問2)、「テューダー朝時代のイギリスの祝宴について」(問3)であった。英文の主旨をつかみ、前後の文との関連性に注意しながら読解する力が求められた点は、例年通りであった。いずれの設問も、冒頭で示される英文の主題を念頭に置いて、前後の文の関連性を意識しながら読み進めればよい。文脈に沿わない一文が明らかであった昨年に比べると、今年は細部にも注意しながら文脈をとらえていく必要のある問題があったため、取り組みにくかった受験生もいただろう。
  • ●Bは、退職する恩師への贈り物に関する生徒たちの話し合いをテーマとし、2名の発言者の共通点を把握する問題などが出題された。昨年に比べると、素材文の語数が約100語少なくなり、選択肢も短くなっていたが、最終的に全員の意見に合う具体的な贈り物を判断するという点では、学習指導要領で重視される、議論の場において相互の意見の共通点や相違点を把握する力がより求められた出題であった。

第4問「データ読み取り(図表・案内)」

  • ●Aでは「絵画作品に描かれる食品の国別・種類別の頻度」について、表と英文を組み合わせて読解する問題が出題された。昨年まで出題されていた、図表の項目を選ぶ問題や、最終パラグラフに続く内容を予想させる問題は姿を消した。
  • ●問1は、第2パラグラフのpresence coded as 1とそれに続く玉ねぎの例から、食品の数に関わらず「1」と記録されることを読み取れれば、設問文中のリンゴの数に惑わされず正答を導けたであろう。問2は、英文を読むことなく表の内容のみで解答する問題であった。全体としては、解答の根拠が明確であり、英文の展開も素直であったことから、取り組みやすい出題であった。
  • ●Bでは「4つの城の特徴と入場案内」から情報を探し出して解答する問題が出題された。設問数は昨年の4問から変わらなかった。
  • ●すべての問題で、複数の情報をもとに判断する必要があった。問1では「4つの城それぞれが建てられた年代」、問2では「コンサートの実施可否と開館時間」、問3では「有人ガイドの有無と曜日」を、城の紹介文や案内表の情報から把握する必要があり、多様な素材から必要な情報を抽出し、組み合わせて判断する力が求められた。問4では、昨年に引き続き計算問題が出題された。行き先を絞り込み、料金表から金額を導き出すことはさほど難しくなかったが、子どものうち1人が4歳のため無料であることももれなく読み取り、人数に含めないよう判断する必要があった。全体として、多岐にわたる情報の中から必要なものを判断して探し出す、情報処理の一環としての英語の活用力を測る実践的な問題であった。

第5問「長文読解(物語)」

  • ●「ある少女が野菜畑の管理から学んだこと」というテーマで、典型的な一人称の物語文が出題された。一昨年・昨年と比べてわかりやすい設定で、物語特有の回想による時間軸の前後や場面の交錯もなく、語彙も平易なため読解の負荷は低かったであろう。子どもが失敗をごまかしていると知りながら、それに寄り添い見守る両親の優しさを通じて、子どもが内面的に成長していくという物語文らしい題材であった。
  • ●問1や問3では、直接的に述べられていない内容を、登場人物の発言や事実関係から推測する必要があった。問1では、第2パラグラフのI didn't want my father to worryという主人公の様子とそれ以前の内容から、父親にとって野菜畑が大事なものであることを、問3では、父親が退院後もベッドの上で過ごしていた事実と、その後の野菜に関する発言から、父親の置かれていた状況を読み取る必要があった。物語を読む際には、書かれている行動の表面的理解だけでなく、その行動がとられた理由を登場人物の発言や心理描写に即してとらえることを心掛けたい。

第6問「長文読解(論説)」

  • ●「人間の活動と交通路・情報網の発達」についての論説文が出題された。昨年と同様にA・Bのパートに分かれていた。Aは内容把握問題で、問1では語句類推が出題された。問5では、昨年同様に英文の主題を問う問題が出題された。英文の分量は昨年よりやや減少(約600語→約580語)した。
  • ●問2は、自然にできた初期の道から車輪つきの乗り物の発明、舗装路の整備、社会の発展に至る経緯を第2パラグラフ全体から時系列でとらえたうえで、選択肢2のfollowedや選択肢4のresultedに注意し、これらの選択肢が、本文で述べられていることとは正反対の内容であることを慎重に吟味する必要があった。
  • ●問5は、英文全体の主旨を的確に把握する必要があり、学習指導要領で重視されている、部分的読解にとどまらず全体を把握する力が求められた。第2〜5パラグラフの後半において、各交通路や情報網の発達が人間社会の発展にいかに寄与したかが繰り返し述べられており、最終パラグラフでThese have contributed...to the development of our communities, economies, and cultures.と結論付けられていることから、正答を導く必要があった。
  • ●Bでは、表を完成させる形式で、パラグラフの要旨として適切なものを選ばせる問題が出題された。第2〜5パラグラフにおいて、陸海空路およびインターネットが順番に紹介されている流れを踏まえる必要があった。英文を読み進める際、トピックセンテンスを意識するなど、各パラグラフの要点を把握しながら読む力が求められた。

5.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)

年度20182017201620152014
平均点 123.75 123.73 112.43 116.17
118.87

6.センター試験攻略のポイント

  • ●文脈を踏まえて論理的な英文を構築できるか、英文全体の論理展開を把握できるか、様々な素材から必要な情報を抽出できるかなど、実践的な英語力を測る出題構成・問題内容であった。第3問Bや第6問において、意見の要約や共通点の理解、英文の主旨の特定など概要把握の力が必要であったとともに、第4問ABのように、多様な素材から情報を素早く把握する力も求められた。
  • ●第1問では、頻出単語の発音・アクセントに絞って演習を行うのみではなく、通常の授業や英語学習の中で、教科書や問題集の音読などを通して常に正確な発音やアクセントで英文を読む習慣を身につけ、話す技能につながる音声知識を習得したい。日本語と英語で発音の仕方やアクセントの位置が異なる語については、今後も注意が必要である。
  • ●第2問では、例年日常的な場面で使用する語彙・語法が出題される傾向がある。教科書の学習にとどまらず、広く英語に触れる機会を持ち、多様な語彙・イディオムの習得を意識したい。語彙学習の際には、英和辞典で複数の意味や例文を確認したり、英英辞典を使って、その語の持つイメージを思い浮かべたりしながら習得する習慣をつけたい。また、日常的な場面でよく使われるイディオムや語と語のつながりについても、文法の基本事項とともに低学年から定着させていきたい。さらに、英文を書かせる際にも、書いた後に自分で語彙的・文法的な間違いがないかなどを確認することは本問を解く力の養成だけでなく、書く技能の向上にもつながるであろう。
  • ●第3問Aでは、英文の主旨をつかみ、前後の文との関連性に注意しながら、不要な一文を選ぶ問題が出題された。英文を書く際にも、主題に沿った論理的な構成を意識することが、本問を解く力の養成になるであろう。Bでは、発話者ごとの発言の要旨を把握しながら読むことが求められており、日ごろから内容をおおまかに理解しながら読んだり、前後の文脈から発話者の考えや立場を理解したうえで要旨をつかんだりすることを心掛けたい。さらに、複数の話者に共通する内容が問われたことから、学習指導要領で重視される、討論の場において相互の意見の共通点や相違点を把握する力の養成も重要である。
  • ●第4問Aのデータ読み取り問題では、英文と表を組み合わせて判断する問題が出題された。英文から数値に関する情報を読み取ったり、図表の内容を英文と照らし合わせて把握したりする力を身につけておきたい。Bでは、該当箇所を見つけて必要な情報を精査し正答を導く、スキャニング力の養成につながる演習が有用となる。
  • ●第5問の長文読解(物語)では、話の展開の正確な理解に加え、書き手の意図や登場人物の言動の理由といった、直接的には書かれていない内容を推測させる読み方に慣れておきたい。日頃の学習では物語やエッセイ、スピーチ、テキストメッセージなど様々なジャンル・形式の英文に触れ、話者の立場や意見、登場人物の関係性、心情に関する読み取りや素材から得られる教訓の把握など、ストーリー性のある素材ならではの読解ができるようになっておきたい。
  • ●第6問の長文読解(論説)では、パラグラフの要旨として適切なものを選ばせる問題に対応できるよう、英文を読む際には、パラグラフごとに要旨をまとめながら読み進めるとよいであろう。英文全体における各パラグラフの位置づけは、常に意識したい。
  • ●日ごろから様々なジャンル・テーマ・形式の英文に触れ、必要に応じて時間を計って英文を読み、その内容をまとめる演習などを積んでおきたい。また、今年も本文中の表現が設問の選択肢では別の表現に言い換えられている問題がみられた。正確な読解に加えて、英文の言い換えに対応する力も身につけておきたい。
  • ●現行のセンター試験の形式においても、第3問のように、マークシートという制約の中で話す技能や書く技能につながることを意識した出題が見られる。今後の入試改革の動きを見すえて、論理的に読む練習、聞く練習、書く練習、話す練習を重ね、幅広い英語力や深い思考力の養成を一層意識したい。

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